国連事務総長のクリミア人権状況報告書公開 拷問、逮捕など報告
ウクルインフォルム
8日、国連事務総長による3回目のクリミア自治共和国・セヴァストーポリ市における人権状況の報告書が公開された。国連は、ロシア連邦に対して、占領下クリミアにおける拷問、逮捕、拘束、強制失踪の禁止義務を履行するよう、また独立報道機関やクリミア・タタール民族代表機関の活動禁止の解除を呼びかけている。
国連ウェブサイトに報告書「クリミア自治共和国とセヴァストーポリ(ウクライナ)における人権状況」が掲載された。なお、同報告書は、国連総会決議74/168を受けて作成されたもの。
報告書は、16ページからなり、人権状況に加え、強制徴兵、域内人口構成の変更、ウクライナ政府の対応、結論・勧告で構成されている。
結論・勧告部分には、「ロシア政権は、クリミアにおける拷問行使の絶対的禁止の完全遵守、不当な扱い、拷問、恣意的逮捕、拘束、強制失踪の全ての申し立ての独立した偏見のない効果的な捜査の保障が義務付けられている。同国は、自由を剥奪された人物に全ての法的保証が与えられるよう保障することが義務付けられている」と書かれている。
国連事務総長はまた、ロシア政権に対して、思想の自由、表現の自由、平和的集会、結社、思想、信仰、宗教の自由の権利がクリミアにおける全ての人物・団体によって、いかなる差別も、規制機関側からの不当な妨害もなく行われることを保障するよう呼びかけている。
報告書にはまた、独立系報道機関の活動制限の解除とクリミア・タタール民族代表機関「メジュリス」の活動禁止解除が不可欠であると書かれている。
事務総長は更に、ロシア政権がクリミアにおけるウクライナ語教育へのアクセスを保障しなければならないと強調した。
また報告書に書かれた勧告の中には、被占領下クリミアに居住する住民のロシア軍への徴兵やを止めなければならないと書かれている他、「国有化」や接収された資産につき、全ての元所有者の財産権の回復を要請している。