ウクライナの中国専門家、インド太平洋と欧州にとっての中国の主要な脅威を指摘
軍・条約・軍縮研究センター・アジア太平洋地域部門長であるポイタ氏が、第6回ウクライナ・日本フォーラム「ルールに基づく国際秩序の回復 グローバルな安全保障におけるウクライナと日本の役割」において発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた(ウクルインフォルムは、同フォーラムのメディアパートナー)。
ポイタ氏は、インド太平洋地域、そしてグローバル・レベルでの脅威かつ挑戦としての中国について語る際には、いくつかの主要な傾向と新たに観察されることを考慮すべきだと指摘した。
同氏は、「第一に、インド太平洋地域にとっての最大の脅威は、長期にわたる中国の軍備増強である。中国人民解放軍の訓練らはますます激化しており、実際の軍事行動への準備なのか、あるいは単なる平時の訓練なのかを理解するのがますます困難になっている」と述べた。
また同氏は、第二の傾向として「グレーゾーン事態」作戦を挙げ、その一環で中国は、日本、韓国、フィリピン、台湾といった近隣諸国の領空や沿岸に航空機や船舶をより積極的に向かわせていると指摘した。同氏はその際、「これは、米国と地域の国々との同盟関係を試す要素の1つでもある」と指摘した。
そして同氏は、第三の要素は、中国における軍民融合だと述べ、「鮮明な例の1つは、中国の海警局や海軍と連携した数千隻の漁船を用いた最近の軍事演習だ。これらはキルチェーン(編集注:目標撃破の連鎖)の要素、偵察の要素、あるいは、いかなる紛争にも米国や地域諸国の介入を阻止する要素となり得るものだ。これが状況を著しく複雑にしている」と強調した。
加えて同氏は、欧州の文脈における中国の脅威について、中国が「ロシアによる対ウクライナ戦争の主要な実現者(イネーブラー)」になったと指摘した。
同氏はさらに、中国は欧州の団結と大西洋両岸の繋がりを弱体化することを目的とした調整された行動をとっており、またレアメタルのコントロールを圧力の手段として利用していると述べた。同氏はその際、「ある評価によれば、レアメタルの供給が停止した場合、1か月で欧州の産業は停止する」と指摘した。
その他同氏は、戦域間の相互連関性に注意を向けた上で、中国の戦略的関心はロシアが常に欧州を脅かし続けることにあると指摘し、それが台湾周辺での中国の行動にとってより有利な条件を作り出し得ると指摘した。同時に、同氏は、この脅威への認識が高まっているにもかかわらず、欧州には中国との関係改善を求める声が依然として残っているとも発言した。