ウクライナで戦争が終わっても、ロシアの危険は消えない=ルッテNATO事務総長
ルッテ事務総長がベルリンで開催されている会議「NATOトーク」の参加者に向けたビデオスピーチの中で発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ルッテ氏は、「今日、私たちは多くの脅威と挑戦に直面している。プーチンは、どのような損失も顧みず、ウクライナに戦力を投入している。彼は侵略に依存しているように思える。中国、北朝鮮、イランがロシアの軍事機構を支えている。そして、これらの国は一緒に兵器と能力を増強している。これらの国は世界秩序を変えたがっている」と指摘した。
そして同氏は、NATOは常に侵略に対する盾であり、現在、この同盟は欧州の安全保障の基盤であり続けていると指摘した。同氏はまた、ハーグNATO首脳会議で採択された決定はNATOを変革するとし、同盟国はGDPの5%を防衛に投資し、防衛生産を増やし、ウクライナへの支援を継続すると強調した。
同氏は加えて、NATO加盟国は世界の経済的・軍事的な潜在能力の半分を占めており、2つの大陸、34の国、10億の人々からなると喚起した。
同氏はまた、「防衛やその他の分野において、NATOと欧州連合(EU)のパートナーシップはかつてないほどに重要になっている。私たちは、ウクライナが現在ロシアから自国を守り、将来のいかなる侵略も抑止できるように、支援を続けている。ドイツは欧州において最も強力なウクライナ支持国だ。ドイツは、『対ウクライナ安全保障支援及び訓練組織』(NSATU)を設置している。また、『ウクライナのための優先的装備品ニーズリスト』(PURL)の策定にも参加している」と指摘した。
同氏はその他、喫緊に必要かつ極めて重要な米国製装備品が、同盟国による支払いにより、ウクライナに届いていると伝えた。同氏はさらに、トランプ米大統領との最近の会談にて、安全保障のためのNATO支援と戦争終結、そして公正で永続的な平和をいかに達成するかについて話し合ったと述べた。その際同氏は、ウクライナでの戦争終結後も、ロシアからの危険は消えず、中国からの挑戦は増大するだろうとの見方を示した。
また同氏は、米国は欧州の安全保障の強化とNATOの強化に引き続き広く関与していると指摘した。同時に同氏は、米国はあまりに長期にわたって過度な負担を引き受けてきたのであり、欧州の同盟国とカナダが積極的に行動することを米国が期待するのは全くもって理解できると発言した。
これに先立ち、ルッテNATO事務総長は、10月末にトランプ米大統領と会談していた。