強襲部隊の創設は防衛戦力の反攻効果を大幅に高める=ウクライナ参謀本部報道官

強襲部隊の創設は防衛戦力の反攻効果を大幅に高める=ウクライナ参謀本部報道官

ウクルインフォルム
ウクライナのコヴァリョウ軍参謀本部報道官は、ウクライナ軍に新たに強襲部隊を創設する決定は、現代の戦争の必要に対する対応だとし、具体的には防御の活動性と強靭性を向上させ、反転攻勢の効果も高めるものだと説明した。

コヴァリョウ報道官がウクルインフィルムにコメントした。

コヴァリョウ氏は、「ロシア侵略者との全面戦争4年目になって、戦闘の性格は決定的に変化している。これに鑑みた上で、ウクライナ軍の組織内に強襲部隊を独立した兵科として創設する決定が下された。これは現代の戦争下での軍の発展における論理的な一段階であり、戦闘の本質の変化への対応である。この措置は、私たちの部隊の能力を間違いなく強化し、防御の活動性と強靭性を向上させ、反転攻勢の効果を高めた」と指摘した。

同氏はまた、空挺強襲軍と強襲部隊の間には、著しい違いがあると指摘した。

同氏は具体的に、「強襲部隊」は即応部隊だとし、味方防御地点の突破、陣地や自治体の喪失といった脅威や問題が突然発生した戦線の様々な区域で作戦を行うものだと指摘した。主な課題は、迅速に到着し、展開し、戦闘に参加し、敵を破壊し、失われた地点を回復することだという。強襲部隊は、独自の防御区域や防御地帯を持たず、防御を行うことを目的としておらず、その任務は、攻勢、強襲、襲撃行動を行うことだという。

さらに同氏は、強襲部隊は高い機動性と自律性が特徴だとし、通常、陣地を失った他の旅団の担当地帯で、自部隊から離れた場所で強襲中隊または大隊の編成で投入されると説明した。攻勢時においては、敵の防御を突破するため、または重要な地点や自治体を制圧するために、強襲大隊または強襲連隊の編成で投入されることもあり得るという。

そして同氏は、「強襲部隊は、防御を突破し、主力部隊を戦闘に投入できるようにするために使用されることがある」とも説明した。

同時に、同氏は、「空挺強襲軍」は、強襲部隊とは異なり、旅団または部隊集団の編成で使用され、攻勢行動と防御行動のいずれも実行することを目的としていると説明した。攻勢においては、原則として、敵の防御を突破し、長期間にわたってかなりの深部まで攻勢を行うために、戦線の最も重要な区域に投入されるという。防御においては、敵の主力部隊が投入される方面や、重要な地点または自治体の防衛のために使用されるという。

同氏はさらに、ウクライナの空挺強襲軍は、空挺降下の編成で使用され、深部襲撃および空挺強襲行動を実行することも喚起した。

また同氏は、ウクライナの防衛戦力の編成における空挺強襲軍の投入は、衝突ラインから敵の作戦深部まで戦闘行動の範囲を拡大し、敵の領域に戦闘行動を移し、敵部隊の指揮系統と兵站支援の体制を混乱させ、それによって、指定された作戦区域で防衛戦力が優位に立ち、戦略的作戦の成功を達成するための好ましい条件を作り出すことを可能にすると伝えた。

その上で同氏は、「強襲部隊の他の部隊との主な違いは、即応と、状況に関係なく最初に行動する能力である。軍に属する個別の強襲連隊及び大隊は、クルスク州、スーミ州、ドネツィク州、ハルキウ州、およびその他の多くの主要な戦線区域での戦闘行動の際に、その有効性を何度も証明してきた。現在、ウクライナ軍強襲部隊の司令部が創設され、この司令部の長はウクライナの英雄であるヴァレンティン・マニコ大佐となっている」と述べ、強襲部隊は間もなくウクライナ軍の不可欠な独立した構成要素になると補足した。

これに先立ち、9月20日、ゼレンシキー宇大統領は、記者団とのやり取りの際に、強襲部隊の創設に関する決定がすでに下されていると発言していた。


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