
ウクライナ情報総局、ミサイル搭載型の無人水上艇「マグラV7」等紹介
プレゼンテーションは、ブダーノウ情報総局局長と同局特殊部隊「グループ13」の指揮官(コードネーム「トリナッツャティー」)が参加した上で開催された。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
情報総局のユソウ氏は、「私たちは、無人艇『マグラ』を紹介する。私たちは、ブダーノウ将軍の命令で黒海艦隊などを破壊してきたこの開発品を見せる。現時点で、21点の敵目標が(編集注:この無人艇で)破壊された。これは世界記録であり、初のことだ。具体的には、侵略国の能力を示しているが、実はすでに黒海海底の16隻の船、3機のヘリ、また2機の戦闘機だ。2機の戦闘機の価格だけで、それは1億ドルを超える」と説明した。

写真:ダニーロ・アントニューク/ウクルインフォルム
情報総局によれば、この無人水上艇の最大航続距離は800海里(約1500キロメートル)だという。また、ミサイル搭載型の「マグラV7」は全長7.2メートル、幅2.1メートル、高さ1.5メートル、機体の素材はポリエチレンとグラスファイバーだという。
自律稼働時間は48時間で、発電機を使用すれば最大7日間稼働可能だという。「マグラV7」の空の状態の重さは1300キログラム、最大搭載時は3400キログラムだと説明された。燃料タンクの容量は1200リットルだという。巡航速度は23ノット、最大積載時の最大速度は39ノットだという。
また同局は、「マグラV7」は高い積載能力のおかげで、自爆型としても、ミサイル搭載型としても利用可能だと伝えた。さらには、全天候型であり、多チャンネル衛星通信、音響環境モニタリングシステムを備え、また電子戦にも耐性があるという。
この無人艇の操作は、衛星通信を通じた、暗号化された通信チャンネルを介したリモートコントロールで行われるという。「マグラV7」の追加兵装には、機関銃付きの戦闘モジュールや地対空ミサイルが含まれているとのこと。外部センサーの中には、昼夜対応のジャイロ安定化モード(安定した画像を得るためのもの)のビデオサブシステム、2つの予備ビデオサブシステムなどがあるという。
そして、この無人艇は、偵察、船舶破壊、船舶護衛、救助作戦、消防措置、監視、巡回、空中目標の破壊、掃海作業、物資の輸送など、様々な任務を遂行できると説明された。
また、「V7」の他、「マグラV5」と「マグラW6P」という2種類のマグラ無人艇の改良型も紹介された。

プレゼンテーションの際、ユソウ氏は、専門家が常に無人艇の改良に取り組んでいるとし、「『マグラ』という言葉には複数の意味がある。高い山であり、女神であるが、今では、黒海やその上空に姿を見せることへのロシア占領軍にとっての畏怖とも呼べる。これは始まりに過ぎない。これは、すでにこの戦争の流れを変え、今後さらに変えていくウクライナのイノベーションなのだ」と強調した。