オランダでマレーシア機撃墜裁判続く 遺族が証言「彼らは嘘をつき続けている」

オランダでマレーシア機撃墜裁判続く 遺族が証言「彼らは嘘をつき続けている」

ウクルインフォルム
9日、オランダのスキポール裁判コンプレクスにて、2014年7月のウクライナ東部にて撃墜されたマレーシア航空MH17便撃墜事件裁判の内容面審理が行われ、遺族9名が証言を行った。

ウクルインフォルムのハーグ特派員が伝えた。

フレドリクス夫妻(シレナ、ロブ)は、事件で当時23歳の息子ブライスと恋人のデイジーを失っている。二人は、涙を流しつつ、バラバラになった二人の遺体から本人確認をしなければならなかったことを話した。

シレナ・フレドリクス氏は、「新しい布地やら骨やらが断続的に見つかったのだ。(中略)2015年に識別はようやく終わった。私は、遺体の一部を医者かのように見ていた。足の一部や、頭部の一部をだ」と発言した。

夫妻は、MH17撃墜に責任のある者が罪を感じているとは思えないと述べた。シレナ氏は、「私は、プーチンが罪を認め、許しを乞う日が来ることを信じたい。しかし、そんなことがいつか起こるとは思えないのだ」と発言した。

ロブ・フレドリクス氏は、「悲劇に罪ある者は私たちを馬鹿にしている。彼らは嘘をつき続けている」と述べ、「私のところには、バラバラになったブライスとデイジーが戻された。あなたたちは、私と私の家族に何をしてくれたのだ。私は決してこんなことは望んでいない…。この殺人は、どんな罰でも償いようがない。弁護士(編集注:4名の被告の内の1人、露情報機関将校のオレグ・プラートフ被告の弁護士)がプロセスを長引かせていることを、私はとても怒っている。特に、核心的なことは話さず、フェイクを事実かのように受け止め、遺族の感情を考えていないことにだ」と強調した。

遺族は感情的に証言を行い、彼らの発言の際には検察、記者、通訳者も涙を流していた。

遺族たちはそれぞれ、被告に対して罪を認めるよう呼びかけ、事件の詳細を発表するよう求めた。また、彼らは、MH17撃墜を目撃した、あるいは何らかの証拠を持っている人々全てに対して、遺族の苦しみを考え、事件の詳細を話すように呼びかけた。

MH17撃墜事件の遺族の証言は6日から行われており、計11人に遺族が証言を行う。自身で証言することができない場合は、弁護士が代弁する。

なお、マレーシア航空機撃墜事件とは、2014年7月17日、アムステルダムからクアラルンプールへ向かっていたマレーシア航空機MH17がウクライナ東部ドンバス地方上空で武装集団により撃墜され、乗客・乗員合計298名全員が死亡した事件をいう。

2016年9月、国際共同捜査チーム(JIT)は、同事件の技術捜査の結果として、同航空機が、親露武装集団支配地域から地対空ミサイルシステム「ブーク」により発射された弾頭「9M38」により撃墜されたことを判明させている。

同時に、民間調査グループ「ベリングキャット」は、MH17を撃墜した「ブーク」がロシア軍第53対空旅団発のものであることを判明させていた。ベリングキャットは、ソーシャル・メディアとオープンソース情報の独自の分析を通じて、MH17撃墜に関与した20名のロシア軍人を特定させた報告書を発表した。これら軍人の名前が写真付きで示されているこの報告書は、オランダの検察に渡されている。

2018年5月24日には、JITは、MH17を撃墜したロシアのミサイルの破片を公開しつつ、ミサイルがロシアのクルスクを拠点とするロシア軍第53対空ミサイル旅団に属するものであることが判明したと発表した。

なお、2019年6月、マレーシア航空機MH17撃墜事件の捜査を行う国際共同捜査チーム(JIT)は、同撃墜に関与した容疑者4名(イーゴリ・ギルキン(ロシア国籍、ロシア連邦軍元将校、ロシア連邦保安庁(FSB)元大佐)、セルゲイ・ドゥビンスキー(ロシア国籍、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)大佐)、オレグ・プラートフ(ロシア国籍、予備大佐)、レオニード・ハルチェンコ(ウクライナ国籍))を公表している。

MH17の公判は、2020年3月に始まっている。

同捜査は現在も続いている。2021年9月2日、JITは、撃墜に用いられた地対空ミサイルシステム「ブーク」の搬送元であるロシアの都市クルスクにおける、証拠となる写真、動画、公的文書などの情報提供を呼びかけるメッセージを発表した


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