ウクライナ軍、ロシア軍が北部スーミ州の国境を突破し、民間人を連行したことを認める
ウクライナ軍コミュニケーション総局がウクルインフォルムに伝えた。
同局は、「ロシア軍は優勢な戦力で、ロシアとの国境に隣接するスーミ州クラスノピッリャ共同体のフラボウシケ村付近においてウクライナ国境を越えた。敵の急速な攻勢の結果、ウクライナ防衛戦力の部隊はフラボウシケ周辺の数か所の陣地から撤退した。統一部隊の担当範囲の国境隣接地域では、安定化措置が続いている。敵の兵力の発見及び殲滅のための措置が取られている。占領軍に対して火砲攻撃が加えられている」と報告した。
また同局は、ロシア人による集落の占拠後、50人以上のウクライナ民間人がロシア領へと強制的に連行されたことを認めた。連行されたのは主に、以前ウクライナ深部への避難を拒否していた高齢の男女だという。
同局は同時に、これら民間人がウクライナ領の別の地域への避難を拒否したことは、ロシア軍によるウクライナ民間人をロシア領へ強制移住させた行為を正当化するものではないと強調した。
同局は、ウクライナの法執行機関が本件につき予備調査を実施していると指摘した。さらに同局は、「現在、ウクライナ軍はこの出来事を、動機の如何を問わず、被占領地から占領国の領土への保護されるべき者の強制的かつ個人的または集団的な移住、あるいは強制送還を禁止するジュネーヴ第4条約第49条への違反と見なしている」と強調した。
同局は改めて、国境隣接地域の住民に対し、より安全な地域へ避難するよう呼びかけるとともに、法執行機関により確認されたロシアによるウクライナでの戦争犯罪の数はすでに20万件に迫っていることを喚起した。
その他同局は、スーミ州の治安状況の悪化につき、地方当局によって国境隣接自治体からの住民の避難プロセスが実施されていると伝えた。具体的には、すでに3万人以上が避難を完了しており、これは指定された8つの共同体の人口の約84%に相当するという。避難を拒否したのは約16%で、38人の児童を含む約5700人だという。