露軍の大規模攻撃を受けたキーウ、死者14名に増加 他負傷等約50名
キーウ市検察がフェイスブック・アカウントで報告した。
報告によれば、28日11時時点で、キーウ市ではロシア軍の攻撃により14名の死者が出たことが確認されているとのこと。その内3名は、2歳、17歳、14歳の児童だという。
その他、クリチコ市長は、テレビ番組出演時に、医者に支援を求めたのは約50名で、内40名が病院へ搬送されたと伝えた。
また、市内の被害につき、トカチェンコ・キーウ市軍行政府長官は、ダルニツィキー地区、ドニプロウシキー地区、ソロムヤンシキー地区、シェウチェンキウシキー地区、ホロシーウシキー地区、オボロンシキー地区、デスニャンシキー地区の7地区、20か所以上で被害が出ている、特にダルニツィキー地区とドニプロウシキー地区の被害が大きいと報告した。
各地区の被害の詳細以下のとおり。
・ダルニツィキー地区:ロシア軍は5階建て集合住宅の一部を直撃で破壊。現場では救助作業が続き、瓦礫の下にいる人々の救出が試みられている。9階建て、16階建ての集合住宅、民家、駐車場、幼稚園が損傷。
キーウ市内ダルニツィキー地区のロシア攻撃による被害 写真:キリロ・チュボチン/ウクルインフォルム
・ドニプロウシキー地区:25階建て集合住宅が損傷。9階建て集合住宅に隣接する中庭に無人機が着弾、自動車が炎上。複数地点で自動車数十台が損傷。
キーウ市内ドニプロウシキー地区のロシア攻撃による被害 写真:キリロ・チュボチン/ウクルインフォルム
・ソロムヤンシキー地区:民家で火災発生。鎮火済み。
・シェウチェンキウシキー地区:被害大。複数の非居住型建物、事務所型建物、自動車が損傷。
・ホロシーウシキー地区:複数地点で火災発生。10軒以上で窓が割れ、自動車が損傷。
キーウ市内ホロシーウシキー地区のロシア攻撃による被害 写真:ダニーロ・アントニューク/ウクルインフォルム
・デスニャンシキー地区:非居住地区に被害あり。
・オボロンシキー地区:損傷あり。
中部キーウ州警察は、テレグラム・チャンネルにて、同州では、今回の攻撃で2地区で被害が出ており、男性1名が負傷したと報告した。
報告には、8時40分時点で、州内ブロヴァリ地区で、民家10軒とアパート1軒が損傷したとある。また、自動車が5台損傷したという。
また、ファスチウ地区では、民家が損傷。家主が負傷したところ、現場で治療が施されたという。
中部ヴィンニツャ州では、ザボロトナ州軍行政府長官がテレグラム・チャンネルにて、ロシア軍による未明の攻撃により、エネルギー施設が被害を受け、29の自治体で停電が発生したと報告した。
ザボロトナ氏は、「本日未明、敵は、ヴィンニツャ州の重要インフラを攻撃。エネルギー施設への着弾により、29の自治体、6万の消費者に停電が発生した」と伝えた。
同氏はまた、犠牲者情報は接到していないと報告した。
南部ザポリッジャ州では、フェドロウ州軍行政府長官が、28日朝、同州ザポリッジャ市の企業に対してロシア軍が攻撃し、火災が発生したと報告した。
犠牲者情報は確認済みだという。
なお、ウクルインフォルムの現地の記者によれば、ザポリッジャでの爆発は5時30分頃に聞かれたとのこと。
国鉄ウクルザリズニツャ社は、フェイスブック・アカウントにて、本日未明、ロシア軍は一般の旅客列車に対して攻撃を行ったと報告した。
同社は、「攻撃を受けたものの中には、高速鉄道『インターシティ+』が含まれる」と伝えた。
鎮火済みだが、電車の1つが大きく損傷したという。

同時に同社の社員は、適時シェルターへ避難していたため、皆無事だと報告されている。
同社はその上で、「私たちは、最大限の電車が出発できるように全力を尽くしている。1便たりとも欠便させない。そのために、予備車両を投入する。遅延については、損傷したインフラの復旧も進行中のため、随時伝えていく」と伝えた。

また、フメリニツィキー州コジャティンの鉄道拠点のインフラが損傷したことにより、一部の列車はルートを変更して運行しているとのこと。