夏の終わりまでにクリミアを解放するのは現実的=ホッジス元米軍高官
ホッジス氏がウクルインフォルムにコメントした。
ホッジス氏は、「私たちは、ウクライナが今年勝利できるように、あらゆる可能なことを行おうとしている」と述べつつ、「少なくともウクライナが夏の終わりまでにクリミアを解放するのは完全にあり得ることだ」との見方を示した。同時に、それはパートナー国が高精度長射程武器をはじめとする必要な武器を提供した場合だとし、ウクライナ軍は150〜300キロメートルの射程で攻撃できるようにならねばならないと指摘した。そして、標的に確実にミサイルが当たるようになれば、ロシアの黒海艦隊はクリミアを離れざるを得なくなると説明した。
その他同氏は、ウクライナにとってクリミアは「決定的な場所」であると述べ、それに対してドンバス地方は単に「重要な場所」だと形容した。その理由として同氏は、ロシアがクリミアを維持している限りウクライナは安全を得られないからだと指摘した。その際、同氏は、特に経済の完全な回復ができないのだとし、ロシアがクリミアにいたら、ウクライナはマリウポリ港を利用できないし、オデーサでも140隻の船が港に停泊したまま出航できずにいることを喚起した。
同氏は、「私たちはウクライナがクリミアを取り戻すのを支援せねばならない。今年だ。私たちは、それが起こることを望んでおり、あらゆる必要なものを提供すべきである」と強調した。
加えて同氏は、戦争の動向を変える「ゲームチェンジャー」は何らかの武器ではなく、戦車や航空機ではなくて、「ウクライナが勝たねばならない」という決定をパートナーたちが採択することだとする見方を示した。戦車に関しては、同氏は、ウクライナはすでにロシア軍から鹵獲(ろかく)したものを持っており、その後西側の戦車も手に入れると述べた。そして、ウクライナ軍はそれら全てを非常に上手に使っており、戦車はクリミアを孤立させるのに役立つことになろうと指摘した。
同氏は、地図を取り出し、ウクルインフォルムの特派員に対して、戦局への見解を示し、ウクライナ軍は、ロシア軍をバフムートに引きつけながら、クリミアを孤立させることができると説明した。
また同氏は、ウクライナは現在はまだ90キロメートル射程以下の標的を攻撃するミサイルしか保有していないことを喚起した。
これに先立ち、ホッジスは昨年12月にも、クリミア解放はウクライナにとって将来の安全保障の主要な構成要素の1つであるとし、ロシアが兵站を著しく損ねていることから、解放は来年の8月末までに実現するだろうとの予想を示していた。
なお、ドイツ連邦共和国のピストリウス国防相は2月18日、ウクライナはこの戦争に負けてはならないだけではなく、勝たねばならないと発言している。さらに、モラヴィエツキ・ポーランド首相も、強固な平和を築くには西側世界の首脳たちはロジックを変えねばならないとし、「私たちは『ウクライナを負かしてはいけない、ロシアを勝たせてはならない』と言うべきではない。それは誤りだ。『ロシアはこの戦争に負けねばならない、ウクライナは勝たねばならない』と言わねばならない」と発言していた。
17日には、ルッテ・オランダ首相もキーウにて、ウクライナが勝利せねばならないと発言していた。