ウクライナはこの戦争に勝たねばならない=ピストリウス独国防相
ピストリウス国防省がミュンヘン安全保障会議のディスカッション時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ピストリウス氏は、現在の戦争でもしロシアに成功を許したら、ウクライナはプーチンの計画の始まりとなってしまうとし、「ロシアは成功してはならないし、成功しない」と強調した。また同氏は、制裁も外交的努力もプーチン露大統領の方針を変えることができなかったということは、ウクライナの防衛能力の強化と北大西洋条約機構(NATO)の東方の強化が必要だということだと指摘した。
対ウクライナ支援の「レッドライン」は何かとの質問には同氏は答えずに、相手側に戦略的優位を与えるべきではないと発言した。
その他同氏は、大きな損耗と犠牲者の出る終わりのない戦争には誰も興味がないとも強調した。そのために、ウクライナ勝利達成のための戦略を作る必要があると指摘した。また、ウクライナとパートナー国は「力の立場」を得るべきだと述べた。同時に同氏は、戦後戦略も必要であり、それはロシアのどの代表者と事を構えることかに関わるものだと発言した。同氏は、その議論は非公開で行われるべきだとしつつ、同時にウクライナの支援を受けながら行われないといけないとも指摘した。
また同氏は、自身の前週のウクライナ訪問を喚起し、自由を巡って戦うウクライナの人々への深い敬意を表明した上で、ドイツは欧州・大西洋パートナーとともに必要な限りウクライナを支援していくと強調した。
„Die #Ukraine muss den Krieg gewinnen!”
— Verteidigungsministerium (@BMVg_Bundeswehr) February 18, 2023
Verteidigungsminister Pistorius mit klaren Worten auf der #MSC2023. pic.twitter.com/uRFL7F3qZR
なお、ドイツの政治家のレトリックはここ最近変化してきている。全面戦争が始まった最初の数か月、ドイツの首脳陣は、「ロシアは勝ってはならない」「ウクライナは負けてはならない」との表現を用いていたが、現在は「ウクライナは勝つべきだ」との表現を用いる政治家が増えてきている。
これに先立ち、モラヴィエツキ・ポーランド首相は、強固な平和を築くには西側世界の首脳たちはロジックを変えねばならないとし、「私たちは『ウクライナを負かしてはいけない、ロシアを勝たせてはならない』と言うべきではない。それは誤りだ。『ロシアはこの戦争に負けねばならない、ウクライナは勝たねばならない』と言わねばならない」と発言していた。