「キーウ安全保障盟約は過去の過ちを」=ラスムセンNATO前事務総長

「キーウ安全保障盟約は過去の過ちを」=ラスムセンNATO前事務総長

ウクルインフォルム
ラスムセン前北大西洋条約機構(NATO)事務総長は、自身が案文の作成に関わった「キーウ安全保障盟約」は、ウクライナのNATO加盟の手続きや時期に関する議論を回避するのに役に立つかもしれないと発言した。

ラスムセン氏が欧州議会におけるキーウ安全保障盟約の審議を議題とする外務委員会と安全保障・防衛委員会の共同会合の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ラスムセン氏は、「キーウ安全保障盟約は、NATO内でビリニュスでの次回首脳会談の際の見解の相違を回避するための橋を築くものとなるかもしれない。なぜなら、間違いなく、そこではウクライナのNATO加盟の議論が生じるからだ。(ウクライナの)加盟を強固に支持する同盟国もあれば、疑問を抱いている国もあるし、現時点では100%反対している国もある。この対立を回避するために、私たちは、私たちがすでに実質的にウクライナのために行っていることを、より長い戦略的な展望で記述した『キーウ安全保障盟約』を紹介せねばならない。キーウ安全保障盟約への署名は私たちの利益となる」と発言した。

同氏はまた、キーウ安全保障盟約が提供する安全の保証は、ウクライナのNATO加盟の意向に反するものではないと指摘した。同時に、ウクライナのNATO加盟プロセスは一定の時間がかかる可能性があるとし、そのためキーウ安全保障盟約は、同盟国が今からより長期の展望までの期間ウクライナの防衛能力を強化するのを促すものだと指摘した。

さらに同氏は、「キーウ安全保障盟約は、ウクライナの主権が何よりも自らの自衛能力にかかっているという原則に基づいている。その公式は、ウクライナが自らを自分で守ることができるようにすることを定めるものであり、そのためには同国がロシアに戦場で勝利し、抑止することのできる強力な軍を建設しなければならない。それはウクライナの同盟国からの10年単位の安定した義務の結果でのみ可能となるものである」と発言した。

加えて同氏は、キーウ安全保障盟約が確定された際の、NATO同盟国がウクライナを支援する上での4つの基本的方向性を指摘した。

同氏は、1つ目は、ウクライナに軍事支援を提供することだとし、量を制限せず、ウクライナがロシアのどのような攻撃にも耐えられるだけの強力な支援を提供することだと指摘した。

2つ目は、ウクライナと同盟国の間でのインテリジェンスの交換を強化することだと説明された。

3つ目は、EU・NATOによる集中的訓練ミッションの実施だと指摘された。

4つ目は、ウクライナに強力かつ現代的な防衛産業を発展させることだとし、ウクライナが必要な武器を製造する能力を得ることだと指摘された。

その上でラスムセン氏は、「キーウ安全保障盟約は、ワシントン条約(編集注:北大西洋条約)第5条の代わりになることを目的とはしていない。同盟約は、平和を保証するためにウクライナの自衛能力を高めることを提案するものである。盟約は、例えば、結果としてロシアの行動は最小限だった否定的なブダペスト覚書の安全保証のような、過去の過ちを回避することを可能とするものだ。盟約が提案するのは反対のものだ。盟約は、肯定的な安全の保証と、自衛を確実なものとするウクライナへの実践的で物質的な支援を定めるものだ。プーチンは、民主的な世界がウクライナに対する義務を断念することはないことを理解せねばならない」と発言した。

さらに同氏は、欧州議会に対して、キーウ安全保障盟約を支持し、その内容を各国政府に説明するよう要請した。同氏は、そうすることでこのプロジェクトを実現する上で欧州議会は非常に重要な役割を担うことができると指摘した。

これに先立ち、2022年9月13日、ウクライナ大統領府は、ウクライナのための安全保証(security guarantees of Ukraine)に関する勧告を公開していた。同勧告は、ウクライナと保証国グループによる「キーウ安全保障盟約(Kyiv Security Compact)」創設を想定した内容となるもの。


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