ウクライナ議会前で汚職対策機関の独立性回復を求める抗議デモ始まる 本日投票へ

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31日、ウクライナ首都キーウの最高会議(国会)前で、汚職対策機関「国家汚職対策局(NABU)」と「特別汚職対策検察(SAP)」の独立性の回復を求める抗議デモが始まった。

ウクルインフォルムの記者が現場から伝えた。

31日のデモ参加者は数百人に上っている。人々は特に、NABUとSAPの権限縮小に関する法律の撤廃や、NABUとSAPの独立に関する緊急大統領法案の可決を要求している。

マリインシキー公園でNABUとSAPの権限縮小に関する法案に反対する人々の集会 写真:ユリヤ・オウシャンニコヴァ/ウクルインフォルム

集会参加者たちは、「壊したなら、直せ!」「ツィヴィンシキーを経済保安庁へ!」「権力とは民だ」「ウクライナはロシアではない」と叫んでいる。

集会参加者の主要な要求の中には、選考委員会が選出したツィヴィンシキー氏を適切に経済保安庁長官に任命することも含まれている。

動画:ユリヤ・オウシャンニコヴァ/ウクルインフォルム

地下鉄アルセナリナ駅の近くでは警察が警戒にあたっている。

本日朝の集会の主な特徴は、参加者が集会の開始時間の前から集まったことである。人々はデモ開始のほぼ30分前からマリインスキー公園近くに集まり始めていた。

集会主催者たちは、ソーシャルメディアにて、31日の集会は11時から開始すると予告していた。この集会は、同日の最高会議に出席する議員たちを対象に行われている。

汚職対策機関の独立性を支持する集会に参加する人々 写真:イェウヘン・コテンコ/ウクルインフォルム

参加者の中には、「自発的監視団」と呼ばれるボランティアもいる。主催者たちは、彼らの活動は観察と挑発的な行為の報告だと伝えた。

また、主催者たちは参加者に対し、ウクライナにとっての敵はロシアであることを改めて強調した。

主催者たちは、ソーシャルメディアで、「本日未明キーウでは、私たちの真の敵が誰であるかを改めて示した。私たちは、ロシアとの戦いに集中するために、デモを解散して終了させたいと強く願っている。私たちが最高会議前に来ているのは、私たちの国での恐ろしい夜を減らすためだ。なぜなら、汚職が減れば、ウクライナ防衛戦力のための資源がもっと増えるからだ。議員たちが責任を逃れられる、なおも不処罰を享受できるとは思わないように、私たちは大勢でなければならない」と強調した。

また、抗議参加者は、集会が平和的に行われ、政治的な呼びかけをしないよう強調した。主催者は、「覚えておいてほしい。私たちの力は私たちの価値観にある。私たちの原則はいかなる攻撃性も持たないことだ。私たちは対立に関与せず、挑発者には反応しない。いかなる『市民による拘束』(あからさまな挑発者に対しても)も行わない。私たちは国家の機能は引き受けない。危険については対話警察に通報する。これは『マイダン』ではない。これは、政治的要求(政権打倒、弾劾、選挙などの呼びかけではない)のない平和的な抗議デモだ」と訴えた。

また、黙祷も捧げられた。

写真:オレシチェンコ・アナスタシヤ

写真:オレシチェンコ・アナスタシヤ

これに先立ち最高会議は22日、NABUとSAPの権限を縮小する法律を採択していた

同採択後、クリヴォノスNABU局長は、ゼレンシキー大統領に対して、同法が発効すれば「2つの独立機関、NABUとSAPは、事実上、完全に依存状態に置かれてしまう」ため、同法に署名しないように呼びかけていた

同日、ゼレンシキー大統領は、同法に署名した

キーウなどウクライナ各地では、連日最高会議が採択した汚職対策機関の権限縮小を定める法律に反対する市民が抗議集会を開催し、ゼレンシキー大統領に同法案への拒否権を発動するよう要求している

また、一部の最高会議議員は、同法の審査について憲法裁判所に申し立てをするために、議員の署名集めを行うと発表している

23日、NABUとSAPは、前日採択された両機関権限制限法により、両機関の独立が著しく制限されると表明していた

24日、ゼレンシキー大統領は、最高会議に両機関の権限を回復し、独立を確保する新しい法案第13533を提出。NABUとSAPは同日、ゼレンシキー大統領が提出した法案第13533は両機関の独立性のあらゆる保証を回復するものだと表明した

新しい法案の投票は、本日7月31日に行われる見込み。