ゼレンシキー大統領、キーウ・ルーシのキリスト教受容1033年周年に祝福メッセージ

ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領は、28日のキーウ・ルーシ(キエフ大公国)キリスト教受容1033周年記念日に合わせてウクライナ国民を祝福する動画メッセージを発出した。

大統領府広報室が大統領の動画メッセージを公開した

ゼレンシキー大統領は、「今日、私たちは、キーウ・ルーシ=ウクライナ・キリスト教受容の日を祝っている。これは、この祝日の公式かつ歴史的に公正な名前であり、(キーウ・ルーシとウクライナという)2つの国が繋がっていることを強調する名前である。キーウ・ルーシとウクライナの間には、100年と1つの印がある。関連ウクライナ大統領令には、両者の間にはダッシュ(編集注:記号「-」)が横たわる。それは、分断の記号ではなく、ウクライナが中世ヨーロッパの強力な国家の一つの継承国であることを示す印なのだ。1033年前、キーウのヴォロディーミル公がキーウ・ルーシ=ウクライナの洗礼を行なった時、現代ウクライナの首都である、その国の首都から東欧のキリスト教の歴史が始まったのだ。それは私たちの歴史の一部ではない。それが私たちの歴史なのだ。私たちは、それを歴史論文、業績、記事で証明する必要はない。なぜなら、私たちの証拠は紙ではなく、金属や石の中にあるのであり、神話や伝説の中ではなく、町の中や通りにあるからだ」と発言した。

大統領は、キーウ・ルーシは、ウクライナ史の母であるとし、現在のウクライナの24州とクリミアはその直系の子どもなのだと述べ、「傍系の子やとても離れた親戚が(編集注:ロシアのことを指すと思われる)、数千キロメートル離れた自らの出現した場所にいながら、その(キーウ・ルーシの)遺産を求めたり、1000年と1000の出来事の歴史への自らの関与を証明する必要はないのだ」と強調した。

大統領はまた、キーウのヴォロディーミル公があらゆる教会、信仰を尊重したおかげで、ウクライナには現在、様々なキリスト教教会やイスラム教、ユダヤ教の団体が参加する「教会評議会」が存在するのだとの見方を示し、類似の評議会は世界のどこにもないと強調した。その上で、「彼らは皆、私の今いる場所、このソフィア大聖堂にて、ウクライナのために共通の祈りを何度も捧げている。ソフィア大聖堂はウクライナ国史、キーウ・ルーシの歴史の偉大な守護者である。ソフィア大聖堂こそが、コサック・ヘトマン国家の建設の歴史的基盤となったのである。そして、ヴォロディーミルシカ通りの教育博物館にて、中央ラーダがウクライナ人民共和国の創設を宣言し、国章にヴォロディーミル公の象徴である三叉の矛を選び、通貨をキーウ・ルーシの最初の通貨にちなんだフリヴニャと名付けた、その時の歴史的基盤となったのもソフィア大聖堂である」と発言し、これらの歴史が1991年のウクライナの独立達成の基盤となったのだと述べた。

その上でゼレンシキー大統領は、当時ヴォロディーミル大公が建設した什一聖堂のように、何度も破壊されて現在は姿のないものもあるが、「今日、私たちは、ともに願わなければならない。今あるものは壊されないように、壊されたものは再生されるように。つまり、自らと国家を守ることを願うのだ。過去を記憶し、今日行動し、未来について考えよう。キーウ・ルーシ=ウクライナのキリスト教受容の日、おめでとう」と祝福のメッセージを伝えた。

なお、ウクライナでは、毎年7月28日は、ルーシ=ウクライナ・キリスト教受容の日と定められている。

これに先立ち、27日に発表された世論調査により、ウクライナでは、キーウ・ルーシ(キエフ大公国)の継承国がウクライナであると考える人は75%、ロシアだと思う人は8%であることがわかっている。