ウクライナ人襲撃はポーランドの評判を失墜させ、ロシアを利する=トゥスク首相

ポーランドのトゥスク首相は28日、ヴロツワフでのウクライナ人カップルへの残虐な襲撃を受け、ウクライナ国民に対する暴力はポーランドの国際的評判を失墜させ、ロシアを利するものだと発言した。

トゥスク首相がポーランド内閣閣議の開始前に、ポーランドの各地での暴力、特にウクライナ人に対するものへの厳しい対処の必要性を強調して発言した。

トゥスク氏は、ヴロツワフでの襲撃の結果、ウクライナ出身の男性と女性が非常に大きな被害を受けたと報告した。同氏はまた、警察は容疑者2名を迅速に拘束しており、事件に関与した3人目も近く拘束される予定だと伝え、警察の迅速な対応に謝意を表明した。

同氏は加えて、「私たちポーランド人は全員、暴力、特にそれが最も弱い立場にある女性、児童、病人に及ぶ場合に非常に敏感だ」と述べた。

そして同氏は、攻撃の理由が民族的偏見や憎悪となる事例が増加しており、こうした犯罪の被害者がウクライナ国民であるケースが少なくないと指摘した。

同氏は、ポーランドは、ロシアによる対ウクライナ全面侵攻の最初の数日間、ポーランド人がウクライナ難民を大勢で支援した際にも改めて発揮された「連帯」の伝統により、世界で特別な地位を獲得したことを喚起した。その上で同氏は、「今日、これら全てが崩壊している。私たちが悪党、サッカーのフーリガン、単なる犯罪者に対して、人々が少し異なるアクセントで話しているというだけの理由で、罰せられることなく殴打したり、侮辱したりすることを許すならば、そこから残るのは瓦礫だけだ」と強調した。

さらに同氏は、ウクライナ人カップルへの攻撃事件で拘束された人物の1人は以前、ソーシャルメディア上で「国境の保護者」と称して自らの活動を自慢していたことに注意を促した。そして同氏は、ポーランドの一部の政治勢力が、自らを愛国的と称しながら、実際にはポーランドの評判を失墜させ、社会に危機感を生み出しているグループを支持していると指摘した。

同氏は、法執行機関に対し、加害者の迅速な拘束だけでなく、迅速かつ効果的な処罰を確保するよう呼びかけた。

同時に同氏は、「彼らは今日、政治的な事例、政治的な後見人、政治的な支持を得ているからこそ、図々しくなったのだ」と訴え、ナヴロツキ同国大統領に対し「この件で沈黙するのをやめる」よう呼びかけ、同氏が以前、サッカーのフーリガンによる殴り合いを「高潔だ」と称賛していたことを指摘した。同氏はまた、右派保守政党「法と正義(PiS)」の党首に対し、「戦闘員グループ」(編集注:不法移民から国境を防衛するためのグループ)の創設を呼びかけるのをやめるよう求めた。

その他同氏は、ワルシャワが大規模な国際宣伝キャンペーンを準備中であり、その主要なメッセージの1つは「夜間に町の路上を怖がることなく移動できる、路上での暴力のない、安全で清潔かつ穏やかな国家としてのポーランド」のイメージでなければならないと述べた。

そして同氏は、「今日、このような人々がそのイメージを破壊している。このような忌まわしい行為を行う者は誰であれ、完全にポーランドの利益に反して行動している」と強調した。

同氏はまた、ポーランドでのウクライナ人への攻撃は、ポーランドとウクライナの双方でナショナリズム的機運の拡大を助長し、ロシアに利するものとなるとし、「今日ウクライナの女性や児童を殴打している者たちは、ポーランドに反して、ロシアとナショナリズムの利益のために行動しているのだ」と強調した。

これに先立ち、ポーランドのヴロツワフでウクライナ市民に対する残虐な暴行の疑いで男性2名が拘束されていた。そのうちの1名は町を離れようとしていたが、警察の対テロ部隊により拘束された。

ポーランドのメディアは、27歳と45歳の男性が拘束されたと報じた。1名には前科があり、もう1名はサッカーのフーリガンだという。両者とも総合格闘技の大会に参加しているという。

最近、複雑な歴史問題をめぐるポーランド・ウクライナ関係の悪化が続く中で、ポーランドではウクライナ人に対する否定的な言動、特に言葉での侮辱や暴行の事例が著しく増加している。