EU首脳、ウクライナに関する欧州理事会結論文書を採択

18日、ブリュッセルでの欧州理事会会合において、欧州連合(EU)の全27加盟国の首脳が、ロシアへの圧力を強化し続け、侵略との戦いにおいてウクライナを支援し続けることに合意した。

欧州理事会広報室が同会合の結論文書を公開した

同文書にて、今回ゼレンシキー宇大統領との意見交換を経て、欧州理事会は、国際的に認められた国境内におけるウクライナの独立、主権、領土一体性に対する、不変、強固かつ揺るぎない支持を改めて確認している。

また、「EUは、志を同じくするパートナー及び同盟国と調整した上で、ウクライナとその国民に対して、包括的な政治的、財政的、経済的、人道的、軍事的、外交的支援を提供し続ける」と書かれている。

欧州理事会はまた、ウクライナのEU加盟に関する政府間会議の開催や2026年6月15日の第1クラスター「基本」の交渉開始を歓迎しつつ、「成果に基づくアプローチ」に従った残りの交渉クラスターの開始に期待を示した。

ロシアの対ウクライナ侵略という議題に関しては、EUは、国連憲章及び国際法の原則に基づき、かつウクライナに対する強固で信頼できる安全の保証に裏付けられた、ウクライナにおける包括的で公正かつ永続的な平和を支持していると伝えた。

文書には、「ウクライナの独立、主権、領土一体性を尊重する解決策のみが、公正かつ永続的な平和をもたらすことができる。国境は力によって変更されてはならず、侵略者が報われることがあってはならないし、ウクライナの長期的な安全保障と自衛能力は保証されなければならない。ウクライナにおける平和への道がウクライナなしで決定されることはあり得ない。EUは、自らの権限内の問題や自らの安全保障に影響を与える問題で決定していく」とある。

欧州理事会はまた、ロシアの侵略を終わらせることを目的とした外交努力を支持し、EU条約に定められた平和促進というEUの目的に従い、この文脈における関与を活発化させる準備があることを強調した。文書では、「欧州は将来の調停において主要な役割を果たし、自らの利益を守る準備がある」と強調されている。

首脳たちは、ロシアが自らの軍事目標及び戦略的目標を達成できない中で、ウクライナの町やエネルギー・インフラへのミサイル・無人機攻撃を強化していると強調した。

欧州理事会は、ロシアに対し、平和への真の意志を示し、完全、無条件かつ即時の停戦に合意し、公正かつ永続的な平和に関する実質的な交渉を開始するよう呼びかけた。

首脳たちはまた、ウクライナの民間人に対する大規模なミサイル・無人機攻撃、ユネスコ世界遺産であるキーウ・ペチェルシク大修道院への最近の攻撃を含む、ロシアによる最近の深刻なエスカレーションを強く非難した。さらに、外国による情報操作や介入、ウクライナにおける欧州の外交団への脅迫を含む、EU加盟国に対するさらに攻撃的で無謀かつ無責任な行動についても同様に非難した。

その際、最近ルーマニアで爆薬を積んだロシアの無人機が住宅に激突した事案や、他のEU加盟国における同様の事案が喚起されており、それらはロシアによる対ウクライナ侵略の直接的な結果であり、EU市民の安全及び地域の安定を脅かしていると指摘されている。

文書にはさらに、「欧州理事会は、加盟国の領空及び領海への度重なる侵犯を強く非難し、ロシアが自らのエスカレーション行動及び戦闘行為の継続の結末に対して全責任を負うことを強調する。欧州理事会は、全ての加盟国の安全保障に対する揺るぎないコミットメントを改めて確認する」と書かれている。

また、EU及び加盟国は、特に「有志連合」を通じて、また米国との協力の下、ウクライナのための強固かつ信頼できる安全の保証に貢献する用意があると伝えている。

その点につき文書には、「これには、特にEUウクライナ軍事支援ミッション及びEUウクライナ諮問ミッションを通じた、またEUサテライトセンターを通じた停戦監視への支援を含め、長期的な観点も含めて、侵略を抑止し効果的に自衛するウクライナの能力への支援が含まれる。EU及び加盟国の貢献は、それぞれの権限及び能力に基づき、国際法に準拠したものとなる」とある。

欧州理事会は、ウクライナの民間及びエネルギー・インフラに対するロシアの「体系的かつ意図的な」攻撃を強く非難し、ウクライナの原子力施設の安全に深刻な脅威をもたらす、それらの近辺での軍事活動の即時停止を呼びかけた。

欧州理事会はまた、来冬に向けてウクライナの重要インフラ及びエネルギー・システムの緊急の修復、再建、強靭性の強化のため、またチョルノービリ原子力発電所の防護シェルターの迅速な修復を確保するために、国際パートナーの努力と調整されたEUの努力をさらに集中させるよう呼びかけている。同時に首脳たちは、エネルギー分野における地域協力の強化及び国境を越えた電力相互接続の強化も呼びかけた。

EUは、国際パートナーと調整しつつ、ウクライナの復旧、復興、再建の支援に引き続きコミットしていると伝えた。この文脈において、欧州理事会は「2026年6月25、26日にグダンスクで開催されるウクライナ復興会議を待ち望んでいる」と表明した。

ウクライナへの財政支援というテーマに関しては、欧州理事会は、2026年と2027年に向けた900億ユーロの融資から、2026年6月末までにウクライナへの最初の支払いの実現に期待を示している。欧州理事会は加盟国に対し、ウクライナへの二国間支援を継続するよう呼びかけ、ウクライナの残る資金ギャップを埋めるのを助けるためのさらなる国際的支援を確保すべく、EUが第三国とさらに連携することの重要性を強調している。

また、欧州統合の道におけるウクライナの改革に関して、欧州理事会は、ウクライナによる法の支配の維持の重要性を喚起し、現在進められている改革努力を歓迎している。

文書には、「欧州理事会は、特にウクライナ支援融資を通じた、ウクライナへの軍事支援提供に向けたさらなる継続的な努力の重要性を強調する。また、特にウクライナが自国の民間人、エネルギー、重要インフラを保護するのを助けるために、防空システム、弾薬、無人機、ミサイルをはじめとする優先的装備品の生産及び供給を緊急に加速させることの重要性を強調する。この文脈において、防衛産業分野におけるEUとウクライナの間のさらなる協力強化が引き続き決定的に重要である」と書かれている。

首脳たちはさらに、全ての軍事支援やウクライナのための安全の保証が、特定のEU加盟国の安全保障・防衛政策を完全に尊重し、かつ全ての加盟国の安全保障・防衛上の利益を考慮した上で提供されると伝えている。

加えて文書には、「EUは、ロシアが残虐な軍事侵略を停止し、平和に向けた意味のある交渉に関与するように、ロシアへの圧力をさらに強化し、ロシアの戦争経済を弱体化させ続けることへの決意を持ち続けている。欧州理事会は、ロシアのエネルギー収入のさらなる削減、その『影の船団』の運用の制限、その銀行システムのさらなる制限の重要性を改めて強調する」とある。

欧州理事会はまた、第20次対露制裁パッケージの採択に続き、特に「影の船団」を対象とした新しい制裁の最近の採択を歓迎した上で、次の第21次制裁パッケージの迅速な採択を呼びかけている。その際首脳たちは、「ロシアの『影の船団』のビジネスモデルを弱体化するには、『ルート全体』アプローチと、加盟国間及びパートナー国との調整が必要であり、これには、そのような船舶によってもたらされる重大な環境、セキュリティ、海上安全リスクに対処するための共同アプローチが含まれる。欧州理事会はまた、制裁に関するG7及び他の同志国との調整継続、既存の措置の執行強化及び抜け穴の解消、並びに制裁回避に対する措置のさらなる強化の重要性を強調する」と伝えた。

加えて欧州理事会は、ウクライナに公正かつ永続的な平和が訪れるまでは、国際的なスポーツ及び文化イベントへのロシアの参加の正常化は行われてはならないと強調した。

首脳たちは、全ての国に対し、直接的であるか間接的であるかを問わず、また特にデュアルユース品及び部品の提供などを通じた、対ウクライナ侵略戦争におけるロシアへのいかなる援助も即時に停止するよう呼びかけている。首脳たちは特に、対ウクライナ戦争への北朝鮮軍の展開、イラン、ベラルーシ、北朝鮮などによってロシアに提供されている継続的な軍事支援を強く非難している。

その他欧州理事会は、ロシア及びベラルーシに対し、不法に強制連行・移送された全てのウクライナの児童及びその他の民間人を、ウクライナへ安全かつ無条件に帰還させるよう求める呼びかけを繰り返した。

この点において首脳たちは、ウクライナの児童の帰還に関する諸国連合のハイレベル会合で引き受けられた、児童の帰還を確保するための行動を活発化させるというコミットメントを歓迎した。また首脳たちは、捕虜交換や拘束されている民間人の帰還を含む、その他の人道支援への取り組みや信頼醸成措置は、平和への道の一部として継続されなければならないと強調している。

欧州理事会はさらに、ロシアの対ウクライナ侵略戦争に関連して犯された戦争犯罪及びその他の最も重大な犯罪に対する完全な責任を確保するというEUのコミットメントを改めて確認した。

文書には、「この文脈において、欧州理事会は、EUを代表した、ウクライナに関する国際請求委員会の設立に関する条約の批准、並びにウクライナに対する侵略犯罪に関する特別法廷の設立における進展を歓迎する。欧州理事会は、欧州評議会の枠組みの中で、これら2つの国際機関の導入に向けたさらなる粘り強い努力を鼓舞する」とある。

また、ウクライナに対する侵略に参加した元ロシア戦闘員がEU内部の安全保障にもたらす潜在的な脅威(長期的な観点におけるものを含む)を考慮し、またこの文脈における欧州委員会及びEU外務・安全保障政策担当上級代表の提案を考慮に入れて、欧州理事会は、この分野における加盟国の権限を損なうことなく、この問題の解決に向けた可能な方法を評価するためのさらなる技術的作業を呼びかけた。

文書には、欧州理事会は次回の会合で本件に戻る予定だとある。