ウクライナ軍のドンバス撤退はロシアにハルキウ及びドニプロへの攻撃を許すことになる=ゼレンシキー氏

ウクライナのゼレンシキー大統領は、ウクライナ軍の東部ドンバス地方からの撤退は妥協案として検討されるべきではないと改めて主張し、なぜなら、それは将来的にロシアにハルキウ及びドニプロを占領する機会を与えることになるからだと説明した。

ゼレンシキー大統領がRaiラジオとのインタビューの際に発言した。ゼレンシキー氏がテレグラム・チャンネルで自身の発言を伝えた

ゼレンシキー氏は、「ドンバスからの撤退を単に妥協の問題として語ることはできない。私たちのドンバスからの撤退は、ロシアに対して、損失なしに私たちの最も防衛された領土を占領させる機会を開くことになる。新たな要塞の構築には1年、1年半必要だと言う者もいる。しかし、皆が忘れていることがある。何より、それは『1年半』という時間だ。たとえそれより短かったとしても、都市部ではない、平原における要塞というのはいかなるものであれ、全く別物なのだ。それは決してあれほど(編集注:すでに構築されているものほど)強力な防衛にはなり得ない」と述べた。

また同氏は、ウクライナ軍のドンバスからの撤退は、ロシアにハルキウ及びドニプロに攻勢を仕掛けるための機動の余地を与えると指摘した。

同氏はその際、「私たちのGDPの大きな部分を生み出している2つの大都市が脅威にさらされることになる。そこでは非常に多くの人々が命を落とした…。私たちの軍の士気は間違いなく悪化するだろう。社会の分裂も必ず起こる。そのような措置を支持しない軍と、社会がバラバラになる。そして社会の分断こそが、正にプーチン氏の主要な目的なのだ」と指摘した。

加えて同氏は、ドンバス地方のウクライナ政府の管理下にある地域には20万人の住民が居住していると補足した。

そして同氏は、「撤退するということは、何かを維持することを意味しないのだ。撤退すれば、いかなる保証もなく、全てを失う可能性がある。それは大きなリスクだ」と強調した。

これに先立ち、3月、ゼレンシキー大統領はカタール滞在中に、米国によるウクライナへの安全の保証提供の条件は、軍のドンバスからの撤退であると発言していた

写真:大統領府