ウクライナの降伏による「和平」はプーチンらの野心を強める=ピストリウス独国防相
ドイツのピストリウス国防相は26日、ウクライナにおける和平達成に向けた交渉を進める上での3つの原則的な立場に言及した。
ピストリウス国防相が連邦議会での予算討論中に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ピストリウス氏は、第1の原則として、ウクライナに一方的な領土の譲歩を強制してはならないと発言した。続けて同氏は、第2の原則として、ウクライナは今後も自衛できる能力、すなわち強力な軍隊を持たねばならず、またとりわけ米国からの信頼できる、実効的な安全の保証を得なければならないと指摘した。同氏はさらに、第3の原則として、欧州諸国、NATO、あるいはEUの将来に関わることはどのようなことであれ、パートナー国及び同盟国の背後で議論されたり、決定されたりしてはならないことを喚起した。
そして同氏は、「『降伏・和平』はあってはならない。そのような和平は、ウクライナ人に対する裏切りとなるだけでは済まない。それはまた、(中略)プーチンの野心を強化し、他の専制君主が同氏の後に続くのを奨励することも意味するのだ」と強調した。
同氏は加えて、過去において類似の試みが失敗に終わっていたとしても、ウクライナでの平和達成のために努力することは、何度でも正しいことであり、不可欠なことだと指摘した。同時に同氏は、ただしそのような努力は真剣なものでなければならず、最終的には安全な欧州をもたらし、何よりも永続的で信頼できる公正な平和をもたらさなければならないと強調した。
なお、ドイツ政府は、2026年予算案において、115億ユーロの対ウクライナ軍事支援を想定している。