米国はウクライナのための安全の保証に参加する準備がある=キスリツャ外務第一次官

ウクライナのキスリツャ外務第一次官は29日、米国はウクライナのための将来の安全の保証システムに参加する準備があることを認めたとしつつ、同時に米国はその際に欧州が主要な役割を果たすことを期待していると指摘した。

キスリツャ外務第一次官がニューヨークでの記者会見時にウクルインフォルムの特派員からの質問に答える形で発言した。

米国はウクライナへの安全の保証の提供にどの程度加わる準備があるのか、との質問に対して、キスリツャ氏は、安全の保証に「参加する準備がある」というのは原則的なものであると答え、「そして、それはゲームチェンジャーだ。その準備は、大統領執務室でも、欧州首脳との会談でも繰り返された」と指摘した。

同氏はまた、米国が欧州諸国を将来の安全保障構造の主要な実行者とみなしているのは自然なことだと指摘した。そして同氏は、「欧州の人々自身も常に、ウクライナにおける戦争は、ウクライナだけに関するものではない、それは大陸全体の安全保障に関するものだと述べてきた」と喚起した。

加えて同氏は、欧州連合(EU)はウクライナのEU加盟の重要性も強調していると指摘した。また同氏は、米国企業が安全の保証とウクライナの改革および基準の向上を結びつけていると説明し、「米国と欧州の投資保護とは、ウクライナの基準をEUの基準に引き上げることだ」と指摘した。

ウクルインフォルムの特派員が領土的譲歩の可能性に関する報道について質問すると、キスリツャ氏は、「米国側はウクライナに圧力をかけていない。(中略)トランプ大統領は、領土の問題はウクライナの問題だと言った。(中略)米国側は私たちに領土を明け渡せというような圧力をかけていない。少なくとも私のいる場では、圧力はなかった」と強調した。

トランプ大統領がロシアに対して、ウクライナとの二者間首脳会談の準備期間として2週間を与えたが、2週間が経過した場合、米国はどのような行動をとるかという問いに対して、キスリツャ氏は、もし何も進展がなければ、米国は反応するだろうと考えていると述べた。

その際同氏は、「プーチンに交渉のテーブルに着く準備がないことを示すようなことがあれば、米国側は反応すると私は確信している。それが二者であれ、三者であれだ」と返答した。

これに先立ち、29日、ウクライナのイェルマーク大統領府長官とキスリツャ外務第一次官は、米国のウィトコフ大統領特使と会談していた。キスリツャ氏は、会談は非常に建設的に行われ、双方はウクライナ・米国両大統領の合意の実現手段について協議したと報告している