トランプ氏は首脳会談に同意することでプーチン氏に報奨を与えた=トルコ専門家

トルコの国際戦略研究所でロシア・ユーラシア研究者であるナイジェップ・グルド=デヴィス氏は、米国領アラスカで米露首脳会談が行われること自体が、ロシアのプーチン氏にとって大きな勝利だと指摘した。

グルド=デヴィス氏がCNNトルコ語版の番組出演時に発言した

同氏は、「これは、トランプ氏による自らの設定した条件からの最も断固とした『後退』であり、180度の驚くべき方針転換に見える。彼は、何らかの制限を課したり、自身の様々な脅しを実現したりするのではなく、(首脳)会談に同意することで、そのような異例な形で、プーチン氏に報奨を与えたように見える」と述べた。

また同氏は、アラスカでの会談の開催を「象徴的」だと形容し、ロシアに有利な開催地が選ばれた観点から、プーチン氏の「メッセージ」について解説した。

同氏はその際、「誰がアラスカを提案したかを知ることは非常に興味深いものとなるだろう。アラスカの象徴性ははっきりしている。そして、プーチンがトランプにその視点、論拠、表現を語る姿を想像するのは容易い。それはこういうものだろう。『かつて、私たちにはこの領土(編集注:アラスカ)があったが、私たちはこれをあなた方に譲った。だから、ウクライナにもその領土があるが、今度はそれを私たちに譲るべきだ』」と述べた。

また同氏は、戦術的には、首脳会談の開催地も形式も、さらには二国間会談という性質も、ロシアに有利に働いていると主張した。

同氏はその上で、「今日の時点で明白なのは、プーチンが、米国の地で同国との首脳会談を確保したことによって、すでに大きな勝利を収めているということだ。そして、彼は、それを最大限に活用するために、非常に熱心に取り組むこととなるだろう」と発言した。