EU首脳陣、ウクライナによる汚職対策機関の独立回復法採択を歓迎

欧州連合(EU)のコスタ欧州理事会議長とフォンデアライエン欧州委員会委員長は31日、同日ウクライナの汚職対策機関の独立性を回復する法案を最高会議(国会)が採択して、ゼレンシキー大統領が署名したことを歓迎した。

コスタ欧州理事会議長フォンデアライエン欧州委員会委員長が同じ内容のメッセージをXアカウントに掲載した。

また両者は、ウクライナの法の支配と汚職対策の分野の改革は続けられねばならないとし、それらの改革は、ウクライナの欧州の道を進む上での非常に重要なものであり続けていると指摘した。

その他、カラスEU外務・安全保障政策担当上級代表は、Xアカウントにて、「ウクライナによる汚職対策機関権限回復の一歩は、欧州民主主義的価値がかかっている時の、同国の正しい道筋に迅速に戻る覚悟を示している」と指摘した

またカラス氏は、法の支配と汚職との闘いは、EU加盟を望むどの国にとっても非常に重要だと強調した。

これに先立ち、31日、ウクライナ最高会議は、汚職対策機関の独立性を回復する法案を採択し、その後ゼレンシキー宇大統領が同法案に署名していた

また、最高会議は22日、NABUとSAPの権限を縮小する法律を採択していた

同採択後、クリヴォノスNABU局長は、ゼレンシキー大統領に対して、同法が発効すれば「2つの独立機関、NABUとSAPは、事実上、完全に依存状態に置かれてしまう」ため、同法に署名しないように呼びかけていたが、同日、ゼレンシキー大統領は、同法に署名した

キーウなどウクライナ各地では、連日最高会議が採択した汚職対策機関の権限縮小を定める法律に反対する市民が抗議集会を開催し、ゼレンシキー大統領に同法案への拒否権を発動するよう要求

23日、NABUとSAPは、前日採択された両機関権限制限法により、両機関の独立が著しく制限されると表明していた

24日、ゼレンシキー大統領は、最高会議に両機関の権限を回復し、独立を確保する新しい法案第13533を提出。NABUとSAPは同日、ゼレンシキー大統領が提出した法案第13533は両機関の独立性のあらゆる保証を回復するものだと表明した

31日は、朝から最高会議近くの広場で、同法案採択を要求する市民が抗議集会を開催していた

写真:freepic