ゼレンシキー宇大統領、汚職対策機関独立回復法案に署名
ウクライナのゼレンシキー大統領は31日、同日最高会議(国会)が採択した汚職対策機関「国家汚職対策局(NABU)」と「特別汚職対策検察(SAP)」の独立を回復する法案に署名した。
ゼレンシキー大統領がフェイスブック・アカウントで報告した。
ゼレンシキー大統領は、「私の法案の採択につき全ての議員に感謝したい。これでもう法律だ。たった今、同文書に署名した。テキストはすぐに公布される」と発言した。
また同氏は、それはウクライナの汚職対策機関と全ての法執行機関の当たり前の独立した作業の保証だと述べた。
同氏はその際、「決定は正しい。311人の議員(編集注:が賛成した)。そうであるべきで、骨子でも全文でもだ。非常に重要なのは、国家が社会の意見に耳を傾けていることだ。ウクライナは民主主義である。一抹の疑いもない」と強調した。
同氏はさらに、政府関係者はすぐにウクライナのパートナーたちに今次法案について報告していると伝えた。
これに先立ち、31日、ウクライナ最高会議は、汚職対策機関の独立性を回復する法案を採択していた。
また、最高会議は22日、NABUとSAPの権限を縮小する法律を採択していた。
同採択後、クリヴォノスNABU局長は、ゼレンシキー大統領に対して、同法が発効すれば「2つの独立機関、NABUとSAPは、事実上、完全に依存状態に置かれてしまう」ため、同法に署名しないように呼びかけていたが、同日、ゼレンシキー大統領は、同法に署名した。
キーウなどウクライナ各地では、連日最高会議が採択した汚職対策機関の権限縮小を定める法律に反対する市民が抗議集会を開催し、ゼレンシキー大統領に同法案への拒否権を発動するよう要求。
23日、NABUとSAPは、前日採択された両機関権限制限法により、両機関の独立が著しく制限されると表明していた。
24日、ゼレンシキー大統領は、最高会議に両機関の権限を回復し、独立を確保する新しい法案第13533を提出。NABUとSAPは同日、ゼレンシキー大統領が提出した法案第13533は両機関の独立性のあらゆる保証を回復するものだと表明した。
31日は、朝から最高会議近くの広場で、同法案採択を要求する市民が抗議集会を開催していた。