ドイツ、ゼレンシキー宇大統領提出の汚職対策機関独立性回復法案の議会による採択を期待

ドイツ政府は、ウクライナ最高会議(国会)が同国の汚職対策機関の独立性に関する新しい法案を速やかに採択することを期待している。

ギーゼ独外務報道官が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ギーぜ氏は、ドイツは、ウクライナ政権が自国民とパートナーたちからの明確な批判に反応したことを歓迎していると述べた。

同氏はまた、「ゼレンシキー大統領が議会に提出した法案は、正しい方向への第一歩だ。ウクライナ議会によってそれが速やかに採択され、その後大統領によって署名されねばならない。私たちは、失われた信頼を回復するために、そのプロセスが遅滞なく進むことを期待している」と述べた。

さらに同氏は、ドイツはその法律を「綿密に分析」するとともに、その後のプロセスを「注意深く」フォローすると付け加えた。同氏はまた、最終的な評価はまだ行われておらず、専門家が最終的な判断を下すまでにある程度の時間がかかると述べた。

加えて同氏は、ヴァーデフール独外相とメルツ独首相が先週、ウクライナのカウンターパートと集中的に連絡を取ったことを認め、ドイツはウクライナの関係当局およびウクライナ市民社会と直接連絡を取り合っていると述べた。

同氏はさらに、新しい法案について、ウクライナ市民社会と汚職対策機関による評価が極めて重要であると指摘し、国家汚職対策局(NABU)と特別汚職対策検察(SAP)自身がすでに肯定的な意見を表明していることを指摘した。

その上で同氏は、「すなわち、現時点では結果が重要だ。そのため、私たちは明日(7月31日)に注目している。遅滞なく、いかなる改変もなくだ」と述べた。

これに先立ち最高会議は22日、NABUとSAPの権限を縮小する法律を採択していた

同採択後、クリヴォノスNABU局長は、ゼレンシキー大統領に対して、同法が発効すれば「2つの独立機関、NABUとSAPは、事実上、完全に依存状態に置かれてしまう」ため、同法に署名しないように呼びかけていた

同日、ゼレンシキー大統領は、同法に署名した

キーウなどウクライナ各地では、連日最高会議が採択した汚職対策機関の権限縮小を定める法律に反対する市民が抗議集会を開催し、ゼレンシキー大統領に同法案への拒否権を発動するよう要求している

また、一部の最高会議議員は、同法の審査について憲法裁判所に申し立てをするために、議員の署名集めを行うと発表している

23日、NABUとSAPは、前日採択された両機関権限制限法により、両機関の独立が著しく制限されると表明していた

24日、ゼレンシキー大統領は、最高会議に両機関の権限を回復し、独立を確保する新しい法案第13533を提出。NABUとSAPは同日、ゼレンシキー大統領が提出した法案第13533は両機関の独立性のあらゆる保証を回復するものだと表明した