欧州人権裁の決定は全欧州にとって歴史的意義がある=ウクライナ外務省

ウクライナ外務省は、9日の「ウクライナ及びオランダ対ロシア」事件における欧州人権裁判所の決定を、ロシアの責任追及に向けた重要な一歩と評価している。

外務省がコメントを発出した

外務省は、「この前例のない出来事は、全欧州、特にオランダ、ウクライナ、そしてウクライナ国民にとって歴史的な意義を持つものだ」と強調した。

また外務省は、欧州人権裁はロシアが2014年以降、ウクライナ東部ドネツィク州及びルハンシク州の一部占領地域における欧州人権条約の多数の体系的な違反に対して責任を負っていることを確認したと伝えた。

さらに外務省は、本件は2014年にマレーシア航空MH17便を撃墜したことについて、ロシアが公式に責任を認められた初の国際司法機関の判決である、と強調している。

加えて、欧州人権裁がその判決の中で明確に強調したのは、ロシアの行動が欧州評議会の歴史において前例のない性質を持つものであり、大陸における平和的共存に対する脅威となっていることだと指摘されている。

外務省は、「同裁判所は、ロシア連邦がウクライナの国家性を破壊し、ウクライナ国民を服従させる意図を持っていることを明確に指摘した。私たちの見解では、これはロシアの対ウクライナ侵略がジェノサイドの性格を持っていることを示すものだ」と指摘している。

外務省は、ロシアの欧州評議会加盟資格がなくなっていても、条約第46条に従い、同国には同裁判所の決定を法的に履行する義務があることを喚起している。

そして外務省は、「欧州人権裁の決定は、ロシアの侵略とその国際法違反に対する国際法上の責任追及に向けた、重要かつ大きな一歩だ」と強調した。

外務省はさらに、ウクライナは今後も全ての被害者のため、特にウクライナに対する侵略犯罪に関する特別法廷の設置、国際的な補償メカニズムの創設、そして追放された子どもの帰還を通じて、粘り強く正義を求めていくと強調している。

これに先立ち、ストラスブールの欧州人権裁判所(ESCHR)大法廷は9日、国家間訴訟「ウクライナ及びオランダ対ロシア」における判決を言い渡し、侵略国ロシアによる多数の人権侵害を認定していた