「メルツ独首相と複数の議題を公の場で話さないことで合意」=ゼレンシキー宇大統領

動画

ウクライナのゼレンシキー大統領は、メルツ独首相と独製長射程ミサイル「タウルス」供給問題などについて協議したが、「複数の議題」については公の場で話さないことで合意したと発言した。

ゼレンシキー大統領が独テレビ局RTLとのインタビュー時に発言した。

ゼレンシキー氏は、「私たちが公の場で話さないことで合意した複数のテーマがある。しかし、私は嘘はつきたくない。タウルス問題は私たちは(メルツ)首相と2つの会話で話した。私たちは、その方向で作業している。しかし、私はあなた方にこれ以上の詳細を与えることはできない。私は首相にそのことを約束したし、私は約束を守る」とコメントした。

また同氏は、タウルスは「ウクライナが使えるかもしれない手段の1つに過ぎず、『タウルス』だけではどの国もロシアから守ることはできない」と発言した。

同氏はさらに、「正直に言えば、『タウルス』はロシアを、プーチンを止める唯一の手段ではないのだ。それだけでは足りない。私たちには、『タウルス』も『パトリオット』も必要だ。私たちはそれを発展させる必要がある。政治的圧力も必要だ。強力な制裁パッケージも必要だ。欧州と米国の団結も必要だ。それらがなければ、ロシアは誰であっても攻撃し得るのだ。ウクライナを強化せず、私たちがそれを実行しなければ、ロシアは他のものを攻撃し得る」と発言した。

そして同氏は、防衛生産の増強と多様化、ウクライナ軍事産業複合体への資金投入の重要性を強調した上で、同時にロシアへの政治的・制裁的圧力の継続も訴えた。

同氏はその際、ウクライナとドイツの防衛協力の強化の重要性も指摘し、「私は、私たちの間である種のハブや、二国間生産が生じることを嬉しく思っている。そして、それは修理だけのことではない。新しい装備品、新しい武器、長射程武器、無人機、ミサイルのことだ。私は、詳細を明かしたくはない。しかし、ウクライナの技師、私たちの企業は確かに新しい技術の開発で成功を達成している。現在、私たちには資金が不足している。私たちはドイツ側と、一定の生産ラインを作るためのパートナーシップについて話している。新しい技術兵器に関することだ」と発言した。

その他、同インタビュー時、同氏は、自身とメルツ独首相の間にある種の「化学反応」があり、両首脳は良く理解し合っている、との見方に同意した。

同氏はその際、「私とフリードリッヒ(メルツ首相)は、非常に良い関係だという感覚があるし、私は非常に感謝している。私は、この今の瞬間にそのポストに就くということがどういうことか知っているが、その中彼はすぐにウクライナへ来て、ウクライナを支えてくれている。それは、単なる政治的声明ではない。彼は、ドイツがウクライナを支えるよう、戦争終結を支援するよう、あらゆることを行いたがっているということだ。だから、私たちは、互いに非常に良く理解し合っている」と発言した。

なお、ゼレンシキー宇大統領は28日、ベルリンを訪問し、メルツ独首相と会談していた。また同日、ウメロウ宇国防相とピストリウス独国防相は、ウクライナにおけるウクライナ製長射程兵器の生産への資金投入に関する合意に署名した

写真:大統領府