ウクライナ外務省、ロシアの「黒海穀物回廊」に関する嘘を説明

ウクライナ外務省は、プーチン露大統領が「黒海穀物回廊」についての事実に反する情報を広めたことを受け、統計データを用いたファクトチェックを公開した。

20日、ニコレンコ宇外務報道官がフェイスブック・アカウントに書き込んだ

ニコレンコ氏は、ロシアは引き続き黒海穀物回廊イニシアティブを破綻させようとしているとし、ロシアの発表した「穀物の45%は欧州の国々へ、3%のみがアフリカへ」という数字は事実に反すると指摘した。

そして同氏は、2022年8月1日からウクライナは穀物回廊を通じて2510万トンの農産物を45か国に輸出しており、その輸出量の内訳はアフリカへは290万トン(11.6%)、アジアへは1210万トン、欧州へは1010万トン(40.2%)だったと伝えた。

同氏はまた、「ロシアはまた、欧州の『お腹いっぱいの国々』が購入したウクライナの穀物の一部が、アフリカとアジアへと人道目的で再輸出されるために出荷されていることをよく知っている。そのため、実際のアフリカ大陸への輸出の統計数値は、11.6%よりも高い。約50%の食物がアジアの国々へと向かっているのはもはや言うに及ばない」と指摘した。

その上で同氏は、黒海穀物回廊が効果的であることがわかり、世界の食料品価格が安定したことを喚起し、「穀物回廊は、世界中で何百万人の人を栄養失調と飢餓から救っている」と強調した。

また同氏は、アフリカ・アジアの国々をはじめ、国際社会は、ロシアが食料を武器に使うことを許してはならないと指摘し、ウクライナは引き続きグローバルな食料安全保障の保証国の1つとしての義務を果敢に果たし続けると伝えた。さらに同氏は、ウクライナは国連とトルコ、並びにその他のパートナー国に対して、穀物回廊を120日間延長させるための努力につき謝意を伝えた。

これに先立ち、20日、プーチン露大統領は、「穀物回廊の要件の完全履行」が必要だと主張し、そうでなければ同合意を停止するつもりだと脅しをかけていた。さらにプーチン氏は、その際、穀物回廊を通じた輸出は、45%が欧州の国々へ、3%だけがアフリカの国々へ向かったものだと嘘をついていた。

写真:クブラコウ副首相