ウクライナ・ポーランド、米独のノルド・ストリーム2合意を批判

ウクライナとポーランドは、独露間ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」はウクライナや中欧全体に対する政治、軍事、エネルギー面の脅威を生み出すものであり、21日に発表された米国とドイツによる「ノルド・ストリーム2」に関する合意は、同パイプライン停止の試みを止めるものだとして批判した。

同日、ウクライナ外務省がドミトロー・クレーバ・ウクライナ外相とズビグニェフ・ラウ・ポーランド外相の共同声明を公開した

両国外相は、21日に発表された米独合意は、ロシアのウクライナ侵攻後間もない2015年に採択された、ロシアのパイプライン建設決定の時から続く危機を著しく深めるものだとの強調した。

両外相はまた、同ガスパイプライン建設停止の試みを止めることは「ロシアが欧州の安全保障状況への破壊的影響を及ぼす可能性を増大させ、北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)の加盟国の間の対立を深める」ものだと指摘した。

声明には、「安全保障上の欠陥を補うための信頼できる試みは、政治、軍事、エネルギーという3つの分野の悪影響を考慮すべきである。その試みは、民主的でなければならず、ノルド・ストリーム2の悪影響を最も強く感じる国の政府との間で、合意調整の段階での協議を想定しておかなければならない。残念ながら、これまでの安全保障上の欠陥を覆う、調整中の提案は、ノルド・ストリーム2が生み出す脅威を効果的に最小化するのに十分とはみなせない」と書かれている。

両外相は、今後もノルド・ストリーム2使用開始を阻止すべく同盟国・パートナー国とともに作業をしていくとし、米国とドイツに対して、ロシアが唯一の利益享受者となっている同地域における安全保障上の危機に対して、適切に対応するよう要請した。

さらに、クレーバ外相はまた、ツイッター・アカウントに、ウクライナ・EU連合協定の第274条に従い、欧州委員会とドイツとの間でノルド・ストリーム2に関する協議を正式に主導すると伝えた。ウクライナ外務省は、すでにブリュッセルとベルリンに関連口上書を送付したとのこと。

これに先立ち、米国とドイツが、ノルド・ストリーム2に関し、同パイプラインの完工を認める代わりに欧州の安全を保証するなどの内容を定めた両国の間の合意を発表していた。