OSCE特別代表:ドンバス地方非政府コントロール地域の「選挙」はミンスク諸合意に反する

11月11日に実施が計画されている、ドネツィク州とルハンシク州の一部地域(CADR・CALR)(編集注:certain areas of Donetsk and Luhansk regionsの略。いわゆる武装集団支配地域のこと)における「選挙」は、ドンバス地方紛争平和的解決を定めるミンスク諸合意に反するものである。

6日、ミンスク(ベラルーシ)で開催された三者コンタクト・グループ(TCG)会合の後、マーティン・サイディック欧州安全保障協力機構(OSCE)TCG特別代表が発言した。OSCE公式ウェブサイトが発表した(編集注:三者コンタクト・グループ(TCG)とは、ウクライナ、OSCE、ロシアの三者からなるウクライナ東部情勢を協議するグループ。このTCGは、ミンスクにおいて武装集団代表の出席を得つつ、およそ2週間に一度の頻度で協議を実施している)。

サイディック特別代表は、「CADRとCALRにおいて次の日曜日に実施が定められているいわゆる『選挙』問題については、TCG定期会合の際にも提起された。本件に関して、私が以前から述べている自身の立場を繰り返させて欲しい。私は、このいわゆる『選挙』の実施は、ミンスク諸合意の文言にも精神にも合致しないものだと考えている」と発言した。

これまでの報道にあるように、ドンバス地方のロシア占領政権が11月11日にいわゆる「選挙」の実施を定めていた。

6日、ロシア側は、TCG会合において公式に自らが組織する傀儡集団「選挙」の結果を認めると発言していた。

TCG人道問題作業部会ウクライナ代表のイリーナ・ヘラシチェンコ・ウクライナ最高会議(国会)第一副議長は、ロシアとその操り人形の行動は、ミンスクにおける政治・外交的協議を破綻させ、前線の状況を不安定化させるものであると発言した。

この偽選挙実施計画は、すでにアメリカEU加盟国などにより非難されている。