オランダ専門家、ウクライナがロシアの凍結資産を得られる条件を説明

オランダ人の弁護士で対露制裁に詳しい専門家ヘーレン・オーフェル・デ・リンデン氏は、オランダにおけるロシア中央銀行の凍結資産は、法的にはそれらは依然としてロシアの所有物であるため、その没収は難しいとの見方を示した。同氏は、正式に第三者に譲渡するためには、然るべき司法の決定と国家間の連携が必要だと指摘する。

ヘーレン・オーフェル・デ・リンデン氏が、ウクルインフォルムのハーグ特派員にコメントした。

オーフェル・デ・リンデン氏は、「凍結されたロシア資産を没収するのは難しい。なぜなら、それらはまだロシア中央銀行に属しており、適切な調整なくしてただ所有物を奪うということはできないからだ。最初の問題はその点にある。所有権が第三者に移るためには調整が必要だ。しかし、今のところ裁判所の判決はない」と述べ、ロシア凍結資産の活用メカニズムについて協議が始まったのは3年前であることを喚起した。

また同氏は、たとえ政治的賛同があったとしても、組織および司法の側面が複雑であり、民主的制度の枠を超えているため、実際に資金を移転させるのは難しいと指摘した。

同氏はその際、「民主的な国では、然るべき決定なしに誰かからお金を単に取ることはできない」と強調した。

同時に同氏は、ウクライナからの絶え間ない要請と、ウクライナを支援したいという願望から、遅かれ早かれその課題は達成され、ロシアの資産はウクライナのために利用されることになるだろうとも述べた。

同氏はその際、「本件ついては特別な法廷審問があり得る。なぜなら、ロシアの資金をウクライナのために使用することは完全に正しいことだからだ。侵略者は与えた損害の代償を払わねばならない。したがって、それは完全に公正に見える。しかし、今のところ、ロシアが支払うべきだと判断した裁判所はない」と指摘した。

同氏の意見では、以前は欧州の諸機関がこのプロセスを抑制していたが、現在は長期の議論と多数の要請を経て、欧州中央銀行およびEU加盟国からの保証があれば、資金がウクライナに移転される可能性は高く、もしかしたらかなり迅速に移転されるかもしれないと指摘した。