ウクライナでは冬季に再び局地的な停電・暖房供給停止のリスクあり=専門家

ウクライナのエネルギー研究所のハルチェンコ総裁は9日、現時点では冬季に全土で完全停電が生じる可能性を論じる根拠はないとしつつ、他方で、複数地域では局地的な停電はあり得るし、暖房に関しても同様のリスクがあるとの評価を示した。

ハルチェンコ・エネルギー研究所総裁が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ハルチェンコ氏は、「火力発電所への複数の集中的な攻撃が、私たちにとって不快な被害をもたらすおそれはあるだろうか? ある。同時に、全土での完全停電について話す根拠は、私は目にしていない」と発言した。

同氏はまた、個別のエネルギー施設への攻撃により複数地域で停電が生じていることを指摘しつつ、他方で、その場合にも電力業者は数時間で消費者への送電を再開しており、全国規模での停電は見られていないと述べた。

そして同氏は、「私の考えでは、最大の危険は、熱供給施設への攻撃可能性である。衝突線までの距離がかなり近い町では、その攻撃は全くもってあり得る」と強調した。

同氏はさらに、地方自治体は今のうちに熱供給施設への予備電源の確保を行い、緊急事態に備えて、予備の熱提供体制を準備しておくべきだと主張した。

その他同氏は、暖房期に問題が生じるリスクが高い町として南部のクリヴィー・リフを挙げ、同市ではロシアの攻撃がなくても暖房供給が止まるおそれがあると指摘した。同氏は、その他、暖房供給のリスクがある町としてスーミ、ハルキウ、ミコライウ、オデーサを挙げた。

また同氏は、キーウも電力不足があり、暖房期のリスクがあると指摘した。