フォンデアライエン欧州委員長、ウクライナ復興基金の立ち上げを発表

欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員会委員長は10日、欧州ウクライナ復興基金の稼働を発表した。

フォンデアライエン欧州委員会委員長がローマで開催されている国際ウクライナ復興会議でのスピーチの際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

フォンデアライエン氏は、「私は、今日欧州ウクライナ復興基金の立ち上げを発表できることを特に嬉しく思っている。それは、復興支援のための最大の株式基金となる」と発言した。

また同氏は、基金の枠組み内で、エネルギー、輸送、重要物資、重要技術への投資を確保する国家部門と民間部門の間に相乗効果が築き上げられていくと指摘した。

そして同氏は、すでにドイツ、イタリア、ポーランド、欧州投資銀行が参加しており、他のEU諸国も今後加わるだろうと予想した。

同氏は、「ウクライナへの投資の時がもう来ているのだ」と強調した。

また欧州委員会広報室は、フォンデアライエン氏が、ウクライナの復興・再建努力を支援するための23億ユーロの新たな支援パッケージを発表したと伝えた

同氏は、復興会議の際にスピーチの際に「本日、EUはウクライナの最も強力なパートナーとしての役割を再確認する。単に最大のドナーというだけでなく、同国の未来への主要な投資家としての役割もだ。23億ユーロの協定に署名することで、私たちは住宅の再建、病院の再開、ビジネスの復活、エネルギー安全保障のために最大100億ユーロの投資を解放することを目指す。これは行動する連帯だ。ウクライナはエネルギー、教育、ローミング、文化において、日々EUに近づいている。欧州はウクライナを今日も明日も支援する」と述べた。

発表には、ウクライナ投資枠組み(Ukraine Investment Framework)の一環として、国際金融機関や二国間公的金融機関との間で署名された、23億ユーロの新たな協定パッケージには、18億ユーロの信用保証と5億8000万ユーロの助成金が含まれると説明されている。このパッケージは、ウクライナへの最大100億ユーロの投資を動員することが期待されているという。

これらの資金は特に以下の用途に充てられることが記されている。

中小企業支援(保証と助成金で5億ユーロ)

エネルギー、輸送、製造業といった主要部門における大規模な民間プロジェクト(6億ユーロ)

保険、都市交通、住宅を含む、戦争で被害を受けた地域の自治体インフラ(5億2000万ユーロ)

ウクライナの電力網の安定化、再生可能エネルギー能力の回復、エネルギー効率の向上(2億6500万ユーロ)

住宅、病院、医療施設を含む重要インフラの修理と再建(3億1000万ユーロ)

これらの新しい投資プログラムの開始により、ウクライナ投資枠組みに基づくEUの総コミットメントは現在57億ユーロとなるという。そして、これらのコミットメントが180億ユーロ以上の投資を呼び込むことが期待されていると書かれている。

なお、10日、ローマにて国際ウクライナ復興会議が開催されている。

写真:EU