イスタンブルにて「黒海穀物回廊」の120日間の延長に合意

ウクライナのクブラコウ・インフラ相は、トルコのイスタンブルにて17日、ウクライナと国連とトルコが「黒海穀物回廊」イニシアティブの120日間の延長に合意したと発表した。

クブラコウ・インフラ相がフェイスブック・アカウントに書き込んだ

クブラコウ氏は、「黒海を通じた農産物の安全な輸送イニシアティブがさらに120日間延長された。この決定がたった今イスタンブルで採択された。このイニシアティブの履行保証国は、国連とトルコであり続ける」と書き込んだ。

同氏はまた、同穀物イニシアティブが発効した8月1日から11月17日までの間に、ウクライナは、計1100万トン以上の農産物を世界38か国に輸出したと指摘した。同時に同氏は、これは著しい量ではあるが、他方十分ではないと述べた。

同氏は、世界市場は短期間でウクライナの農産物を代替させることはできないとし、同時にウクライナは世界のために食料を供給する量を増やすことができると指摘した。

加えて同氏は、ウクライナは公式にパートナーたちに対して、同イニシアティブを少なくとも1年延長し、また南部のミコライウ港を同イニシアティブに加える提案を出していたとし、現在返答を待っているところだと述べた。さらに、「共同調整センター」の活動に生じている問題の解決に関する提案も出していると指摘した。

その他、ゼレンシキー宇大統領も、ツイッター・アカウントにて、今回の合意延長を認めた。ゼレンシキー氏は、「穀物合意が120日間延長される。ウクライナは、グテーレス国連事務総長とエルドアン・トルコ大統領とともに、グローバルな食糧危機との闘いにおける重要な決定を採択した」と伝えた

またロイター通信は、同日、グテーレス国連事務総長による、同合意延長を歓迎するコメントを報じた

グテーレス氏は、「全ての当事者による、穀物、食品、肥料のウクライナからの輸出の際の安全な航行を促進する黒海穀物イニシアティブ実現の延長合意を歓迎する」と発言した。

同氏はまた、国連は「ロシア連邦からの食品と肥料の輸出のために残っている障害の除去に完全にコミットしている」とも発言し、それがロシアが重要視している合意の一部だと発言した。

トルコのエルドアン大統領も同日、ツイッター・アカウントにて、トルコ、国連、ロシア、ウクライナの4者協議の結果、2022年11月19日から120日間、黒海穀物イニシアティブが延長されたと発表した

これに先立ち、7月22日、ロシアによりウクライナの海洋港が封鎖され、ウクライナの農産物の輸出が妨害されている問題を受け、トルコ・イスタンブルにて、ウクライナ、トルコ、国連、ロシアの代表者による会合の結果、ウクライナの3つの海洋港から食糧出荷を行う手段を定めた合意が署名されていた

なお、同合意への署名は、ウクライナ、国連、トルコのものと、内容の同じ、ロシア、国連、トルコのものの2部に対して行われている。また、署名日から120日間効力を持ち、関係者が効力停止の意向を通達しなければ、同じ期間の延長が可能となっていた。食糧輸出に用いられているのは、オデーサ、チョルノモルシク、ピウデンニーのウクライナ南部の海洋港3港。