カザフスタン、欧米の対露制裁を遵守していくと主張

カザフスタンは、ロシアやベラルーシに科されている米国や欧州連合(EU)の制裁を遵守し、自国がその制裁の回避の手段にならないようにすると主張している。

ティムール・スレイメノフ・カザフスタン大統領府第一副長官がニュースサイト「ユーラクティブ」へのインタビュー時に発言した

スレイメノフ氏は、カザフスタンとEUの協議について、その目的の一つは「カザフスタンが米国とEUの対露制裁の回避のための手段になることはないということを、私たちの欧州のパートナーたちに示すこと」だったと発言した。同氏は、「私たちは、制裁を遵守していく。私たちはロシアやベラルーシなどとともにユーラシア経済連合の一員ではあるものの、私たちはまた、国際社会の一員でもある。そのため、私たちが最も望まないことは、米国とEUによるカザフスタンに対する二次制裁である」と発言した。

同時に同氏は、カザフスタンはロシアへの投資を続けるし、モスクワにとっての投資誘致を行っていく、そうでなければ国の経済は成り立たないとも発言した。他方で、同氏は、カザフスタンは、制裁対象の製品や制裁対象者からの投資をコントロールするためには、あらゆる可能なことを行うと指摘した。

同氏は、「カザフスタンはその紛争の当事者ではない。確かに、私たちはユーラシア経済連合に入っているが、私たちは、自らの体制を持った独立国家なのであり、私たちは、ロシアとベラルーシに科された制限を遵守していく」と強調した。

さらに、スレイメノフ大統領府第一副長官は米政治専門ニュースサイト「ポリティコ」へのインタビューの際には、カザフスタンは、ロシアへ製品を合法的に売却し続けたい欧州の企業に対して、支援を提案しているとも発言した

スレイメノフ氏は、「欧州企業は制裁によって、あるいは社会、出資者からの圧力、または、倫理的判断によって、ロシアから撤退している。それら企業はどこか近くにいたがっており、私たちはその隣人でありたいと思っている。貿易は貿易であり、それら企業はロシアの消費市場を共有したがっている」と発言した。

その点で同氏は、カザフスタンはユーラシア経済連合を通じてロシア市場に特権的アクセスを持っており、その点で、欧州委員会に対して、ロシアがウクライナに侵攻したことでカザフスタンにとって生じている欧州ビジネス誘致の「機会」に委員会が反対しないかどうか、確認したいと発言した(編集注:対露制裁回避のための機会提供とみなされる可能性があるという意味)。

同氏は、「私たちは、(欧州)委員会と先ほど、彼らがそれについて同意するか否かにつき協議した。私たちは、制裁体制が維持されている限り、欧州企業がカザフスタンにいることは、喜ばしい限りだという理想的な回答を得た。もちろん、カザフスタンは、世界貿易機関(WTO)や二重課税回避条約など、他の全ての義務を遵守していく」と発言した。

さらに同氏は、カザフスタンは、ウクライナにおける戦争について中立的な立場をとっているが、同時にウクライナに人道支援を供与していると発言した。同氏は、カザフスタンはウクライナの領土一体性を尊重しており、ロシアによるクリミアやドンバスの状況は国連が受け入れないのであり、カザフスタンもそれを受け入れることはないと発言した。同氏は、「私たちは、国連のレベルで受け入れられた決定のみを尊重していく」と強調した。