EU上級代表「EUはロシア産天然ガスに依存しており、現在代替の供給源を探している」

ボレル欧州連合(EU)上級代表は、緊迫するロシア・ウクライナ情勢を背景に、EUは、ロシアがガス供給を削減・停止する可能性に備えて、ガスの代替供給源を探していると発言した。

ボレルEU上級代表が、仏大使館とアトランティック・カウンシルがワシントンで主催したディスカッション「ジャン・モネ対話」の際に発言した。EUポータルサイトがボレル氏の発言を掲載した

司会者が、もしロシアが制裁への報復として冬季にEUへの天然ガス供給を止めたら、どうするつもりかと質問すると、ボレルEU上級代表は、そのような状況は「仮定のものだ」としつつも、しかし、EUがロシア産天然ガスに著しく依存していることは認めた。

ボレル氏は、「私たちがロシア産ガスに大きく依存していることは事実だ。(中略)正にそれが故に、私たちは代替の供給源を模索している」と発言した。

続けて同氏は、EUは米国、カタール、ノルウェー、北アフリカ諸国とガス供給量の増加についての協議を行っていることを喚起した。

同氏は、「私は、ロシアがガス供給を100%停止するとは思っていない。しかし、私たちは、ガス供給量が削減され、その他の供給源が必要になる状況に立たされる可能性はある。私たちは、欧州のガス貯蔵庫の30%が(露国営)ガスプロム社に属しているということも考慮しなければならない。同社はその貯蔵庫を完全に満たすための努力をしていない」と指摘した。

さらに同氏は、EUはエネルギー強靭性向上を目的に、加盟国全体のために共同で天然ガスを購入することや、ガス輸送逆流のために現存の天然ガス輸送インフラを利用することも可能だと発言した。また同氏は、欧州委員会がEUの戦略的共通ガス貯蔵を作りうという提案を出したことを喚起しつつ、この問題はまだ議論中だと伝えた。