欧州はまだ「絶好調」の状態ではなく、欧州防衛連合にはウクライナを含めるべき=クビリュス防衛担当欧州委員
欧州連合(EU)のクビリュス防衛・宇宙担当欧州委員は、EUはロシアからの潜在的な侵略への防衛力を高めるために、ウクライナを防衛計画に含めるべきだと発言した。
クビリュス欧州委員(防衛・宇宙担当)がウクルインフォルムとのインタビュー時に発言した(リンク先はウクライナ語)。
クビリュス氏は、「私たちの情報機関のデータによれば、ロシアは3年から5年以内に(編集注:NATOの)第5条を試す可能性がある。つまり、もしかしたら(編集注:NATOに加盟する)東翼の国々に対して侵略を開始するかもしれないということだ。私たちは、ロシア軍がすでに実戦で試され、数百万機の無人機を使用する能力を持っており、2022年時よりもはるかに強力になっていることを理解する必要がある」と指摘した。
そして同氏は、EUは現時点で、「そのような実戦で試された軍隊から自らを守れるだけの『絶好調』の状態にはないだろうとの見解を示した。
同時に同氏は、「しかし、私たちの欧州大陸の民主主義側には、もう1つの実戦で試された軍隊、ウクライナ軍がいる。しかも、ウクライナには戦争で試された防衛産業もある。その中で、ウクライナを私たちの防衛計画に含めないのは、大きな過ちとなるだろう」と強調した。
その他同氏は、EUは武器の生産と購入を想定する物的な防衛態勢の作業に加えて、制度的な防衛態勢について話し始めなければならないと発言した。
同氏はさらに、「既知のロシアの脅威だけでなく、米国が、中国の軍事的プレゼンスに対抗するべく、今後次第にインド太平洋地域へとその焦点を移すかもしれないという理解も考慮に入れれば、私たち自身が自らの欧州大陸でどのようにそのような作業を組織していくかを考えなければならないのだ」と語った。
そして同氏は、「欧州委員会委員長が私の職務権限として定めた任務は、真の『欧州防衛連合』の概念を策定し実施することだ。私はこれを、私たちが最大限に強力になるためのあらゆる機会を得るべく、ウクライナ、英国、ノルウェーを含めた、欧州大陸におけるある種の新しい安全保障構造と見なしている」と述べた。