露宇戦争の長期化に備えている=メルツ独首相

ドイツのメルツ首相は、ウクライナとパートナー諸国はロシア・ウクライナ戦争をできるだけ早く終わらせようとしているが、しかしそれは、ウクライナの降伏による終結のことではないと発言した。

メルツ独首相がZDFとのインタビュー時に発言した

メルツ氏は、「私はウクライナにおける長期の戦争に備えている。私たちは、同戦争をできるだけ早く終わらせようとしているが、ウクライナの降伏という代償によってではない。なぜなら、もしそうなれば、同国は独立を失うからだ。そうなれば、明日には次の国が、明後日には私たちの番になるからだ。その選択肢はない」と語った。

記者から、今年中に停戦が可能かと問われると、メルツ氏は、希望を失っていないとしつつも、「幻想は抱いていない」と述べた。そして同氏は、停戦や和平の達成は、敵対する勢力の一方が軍事的に敗北するか、あるいは一方が経済的および/ないし軍事的に疲弊することによって生じ得るものだと説明した。その上で同氏は、現時点でそれらは観察されていないとの評価を示した。

同時に同氏は、現在、戦争をできるだけ早く終わらせるために、過去3年半にはなかった集中的な外交上のイニシアティブが用いられていると指摘した。その際同氏は、自身は、フランスや米国の大統領をはじめ、欧州の首脳たちとの非常に集中的にコンタクトを取っていると言及した。同氏はそして、問題解決策の模索においては、米国ができるだけ長く欧州の同盟国と共にあることが必要だとの見方を示した。

その他同氏は、今後の絶対的な優先課題はウクライナの防衛能力への支援だと述べた。同時に同氏は、停戦が成立した場合の地上軍の展開といった安全の保証については、現時点では同盟国の間で議題になっていないと述べた。その際同氏は、「現在、ウクライナに地上軍を派遣することについて話している者は一人もいない。(中略)私たちの絶対的な優先課題は、ウクライナ軍が長期的に自国を守ることができるよう支援することだ」と述べ、同盟国は停戦達成後の安全の保証の選択肢について議論していると補足した。

同時に同氏は、ドイツ軍部隊が、とりわけ戦闘終結後にウクライナの防空のために、いずれかの時点で投入される可能性があるとしても、それにはドイツ連邦議会の権限付与が必要になると指摘した。

そして同氏は、ウクライナとロシアの間で和平協定が達成される場合、ウクライナと同盟国の側にとっては、ウクライナが独立と自由、そして非軍事ブロック状態を維持することが条件となるだろうと強調した。