メルツ独首相、ロシア・ウクライナ戦争のさらなる長期化の可能性に言及
ドイツのメルツ首相は27日、ロシアはバチカンの仲介を拒否しており、これはプーチン氏が平和的解決に関心がないことを示しているとした上で、長期的な戦争に備えるべきだと発言した。
メルツ独首相がトゥルクでのオルポ・フィンランド首相との記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
メルツ氏は、「過去3週間の出来事は、EUが共同で、また英国や米国と協力して停戦を達成しようとした努力が、今のところ成功していないことを示している。しかし、私はこれがすぐに起こるだろうという幻想は最初から抱いていなかった。しかし、バチカンまで関わらせた上で試みたのだ。そして、ロシアは、バチカンの招待を受け入れることにも、あるいは別の場所で会談を行うための仲介に応じないのであれば、それは明らかに、プーチンとロシアが今のところ、停戦や休戦、ましてや和平合意に関心がないことを示すものである」と発言した。
また同氏は、これは「ウクライナは自衛を続けざるを得ず、ウクライナが自衛できるように、私たちはさらに努力を強化する必要がある」ことを意味すると指摘した。
加えて同氏は、ロシアがまだ疲弊しておらず、侵略を続けることを望んでいることから、ロシアの対ウクライナ戦争はまだしばらく続く可能性があるとの見方を示した。その上で同氏は、ウクライナへの支援を継続することを明言した。
同氏はそして、「私が常に強調しているのは、歴史を振り返ってみると、戦争はどのように終わるのかということだ。通常戦争は、一方または双方の経済的または軍事的な疲弊によって終わる。そして、この戦争では、私たちは明らかにまだその段階にはほど遠い。したがって、私たちはより長期の戦争に備えざるを得ないのかもしれないのだが、しかし、それがウクライナを支援するという私たちの覚悟を変えることはない。私がそのことをこれほどまでにはっきり、明白に述べているのは、これがウクライナの領土一体性だけの問題ではないからだ」と強調した。
続けて同氏は、「私たちが住む全ての空間に脅威が迫っており、1990年以降、私たちがロシアと共同で築いてきた政治システムが疑義に晒されている」と付け加えた。
その上で同氏は、「もしそうであるならば、私たち皆が共に自衛する時が来たのだ。だから私は今日、自分がNATOに加盟した国にいることに感謝している。これは、この侵略から身を守るという私たちの共通の意志の表明である。私たちは脅威にさらされている。そして、私たちはその脅威から身を守る。そして、私が指揮するこの連邦政府が身を守るために全力を尽くすことについて、一抹の疑いも生じないことを望む」と発言した。
なお、28日、ウクライナのゼレンシキー大統領がベルリンの訪問を開始している。
写真:dpa