メルツ独次期首相、長射程ミサイル「タウルス」のウクライナへの供与可能性を排除せず
ドイツの次期首相となるメルツCDU党首は、ショルツ前首相が拒否した、ウクライナに対して長射程巡航ミサイル「タウルス」の供与を行う可能性を排除しない発言を行なった。
メルツ氏がARD局のテレビ番組出演時に言及した。
司会者から、プーチン氏がウクライナの民間人への爆撃を24時間以内に止めないのなら、ドイツはウクライナに対して、ロシア領内の軍事兵站を破壊するために巡航ミサイルを供与すべきだとの、ドイツ連邦議会での自身のこれまでの発言を引き続き支持しているかと質問されると、メルツ氏は、自身は「思っていたことを言ったのだ」と発言した。
その際同氏は、「私たちはウクライナを支援しなければならない」と述べつつ、同時にドイツは「自身はこの戦争に参戦すべきではない」とも述べ、そのような兵器(タウルス)は「欧州のパートナーたちと協議した後にのみ」供与するだろうと補足した。
そして同氏は、「それは合意されねばならず、合意されれば、ドイツは間違いなく参加する」と明言し、英国とフランスはすでに(巡航)ミサイルを供与していることを喚起した。
同氏はさらに、ウクライナ軍は、過去3年間実質的に「反応するだけ」であったとし、同軍は防衛から脱せるように装備を整えて、自ら情勢展開を定められるようにならなければならないと強調した。その際同氏は、例えば、ロシアが占領するクリミア半島との間に作られ、自国軍の補給に利用している陸路回廊の破壊は重要となるだろうとの見方を示した。
加えて同氏は、13日のウクライナ北部スーミへの攻撃を強く非難し、それを「明らかに重大な民間人を標的にした戦争犯罪」だと形容した。その際同氏は、被害者に支援が施されている場所に繰り返し攻撃が加えられたことは許し難いとも発言した。
同時に同氏は、愚直にロシアのプーチン氏を交渉の席に呼ぶドイツの人々に対しては、プーチン氏がそれにどのように反応しているかを見るように忠告した。同氏は、プーチンは西側諸国が自身との対話の用意があることを、和平提案としてではなく、弱さとして解釈しており、そのような呼びかけに積極的に応じていないと指摘した。