ロシアとのどのような合意もウクライナのための安全の保証による裏付けが要る=カラスEU上級代表
欧州連合(EU)のカラス外務・安全保障政策担当上級代表は11日、ロシアとの間のどのような合意もウクライナのための信頼できる安全の保証の裏付けが必要だと訴えた。
ニューヨーク滞在中のカラス上級代表が、ウクルインフォルム特派員から同日サウジアラビアで開催されたウクライナ・米国政権代表団協議についてのコメントを求められた際に発言した。
カラス氏は、「誰もが人々の苦しみを終わらせる強固な平和を待っている」と発言した。
同時に同氏は、ロシアは行った犯罪の責任を問われなければならないとも強調した。
そして同氏は、「モスクワの戦争は、植民侵攻であり、主権ある隣国の領土への不当な侵攻以外の何ものでもない」と指摘した。
同氏はさらに、日々爆撃を受けているウクライナ人以上に平和を望んでいる者はいないとし、「私は殺人は止められるべきだという点でトランプ大統領と一致する」と述べた。
加えて同氏は、「プーチンはこの戦争を終わらせることができる。彼がしなければならないことは、速やかにウクライナへの爆撃を終わらせることだ」と指摘しつつも、最近ロシア軍の攻撃が強まっているとし、それは「ロシアが平和を望んでいない」ことを改めて示していると指摘した。
その上で同氏は、「プーチンとのどのような合意も、信頼できる安全の保証で裏付けされねばならない。ロシアによる合意違反のリストは信頼の余地を与えない」と強調した。
同氏はまた、欧州は「(ロシアの侵略に対する)対応とウクライナ支援で強く一致している」と述べ、27の加盟国はその団結を維持することができているとし、「それが非常に重要だ。なぜなら、私たちの強さは団結にあるのだから」と指摘した。
その他同氏は、EU首脳はロシアの脅威を受けて、軍事費の大幅な増額を約束したとしつつ、「しかし、ロシアとの衝突を引き起こすためではなく、その予防のためだ」と発言した。また同氏は、EUは国連の予測可能であり、信頼できるパートナーであり続けていくと強調した。
なお、カラスEU外務・安全保障政策担当上級代表は11日、国連安全保障理事会へ出席していた。同会合では、EUと国連の協力について協議が行われた。
写真:EU