米専門家、ウクライナへの長射程ミサイルの提供により同国が重要インフラを防衛できるようになると指摘

アレクサンダー・ヴァーシュボー元北大西洋条約機構(NATO)事務次官(元米国防次官)は、長射程ミサイル「エイタクムス(ATACMS)」を提供すれば、ロシアの対ウクライナ重要インフラ攻撃の能力を著しく制限する可能性を指摘した。

1日、ヴァーシュボー氏がシンポジウム「ワシントン内外のウクライナ」の際にウクルインフォルムにコメントした。

ヴァーシュボー氏は、「私は、現在米国がウクライナへのある種の武器の提供に関する決定を見直す時が来たと思っている。ロシアが、インフラ攻撃のために、反撃を受けるおそれなく、クリミアを含むコンタクト・ラインに近い領域を利用する機会を狭め得るような武器のことである」と発言した。

同氏はまた、それは何よりもウクライナのエネルギーインフラ施設を砲撃するロシア軍の攻撃手段を破壊することのできるエイタクムス(ATACMS)ミサイルに関わる話だと指摘した。さらに同氏は、西側はウクライナの優位を維持する支援をすべきであり、またロシア軍が一息ついて戦力を再生・再編させることを防ぐために、ロシアに圧力をかけ続けるべきだと主張した。

その他同氏は、冬季は常に戦闘に一定の休止をもたらすという広まっている専門家の考えがあるとしつつも、ウクライナにおける現状は、それを許してはならないと発言した。同氏は、「明確な目的としての勝利に伴う(ロシアへの)軍事的圧力の維持は、何らかの漠然としたものであってはいけない。目的は、ウクライナの勝利でなければならない」と強調した。

同氏は、米国やその他の国々は、ロシアが民間インフラを攻撃する中で、並行して新たな対露制裁を検討しているだろうと指摘した。

なお、エイタクムスとは、300キロメートルの射程を持つ地対地ミサイルで、ウクライナがすでに提供されている高機動ロケットシステム「ハイマース」などから発射可能なものを指す。