NATO加盟国はウクライナの自衛支援をしている=NATO事務総長

北大西洋条約機構(NATO)は、ロシアと対話の用意があるが、しかし欧州安全保障の基本原則に関しては決して妥協しない。

イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長が独DWへのインタビュー時に発言した

ストルテンベルグ氏は、「私たちは、欧州安全保障にとって危機的な時期を過ごしている。私たちは、ロシアの話を聞き、私たちの立場を発表した。私たちは、ロシアと対話の準備があるが、しかし欧州の安全保障の基本原則に関しては決して妥協しない」と発言し、また1月12日のロシアNATO理事会会合での議論は非常に困難であったと補足した。

同氏はまた、ロシアには西側と対話をするか対立をするかという選択肢があると指摘した。同時に、ロシア連邦がウクライナに対して軍事エスカレーションを行った場合につき、「私たちは、ウクライナ(への侵攻)には厳しい経済制裁という形の深刻な結果が生じることを明確に伝えた。私たちは、ウクライナが自らを守る能力を高めることができるように、同国に支援を提供していく」と発言した。

さらに同氏は、NATOは、東方加盟国の防衛のためだけでなく、同盟国に対するいかなる攻撃行為も抑止するために、あらゆる必要なことを行うと述べた。

同時に、同氏は、NATOには予想外の状況に備えた計画があると指摘した。同氏は、ウクライナはパートナー国であって加盟国ではないため、集団的自衛権を定めるNATO条約第5条の対象とはならないが、しかし、NATOはウクライナを支援していると強調した。同氏は、「支援の大半は、同盟国が二国間ベースで提供している。米国、英国、カナダなどだ。そして、私はそれを歓迎している。結局、それは、ウクライナの自衛支援なのだ。それもまた、ロシアに対する明確なシグナルであり、重要である」と発言した。

これに先立ち、12月17日、ロシア連邦外務省は、ロシアと米国、及び、ロシアと北大西洋条約機構(NATO)の間の合意文書案を公開していた。同案には、ウクライナのNATO非加盟要求が含まれている。

12月30日には米露首脳電話会談が開催され、その後1月2日には米宇首脳電話会談が行われた。

1月4〜6日、ボレルEU上級代表がウクライナ東部前線地域を初めて訪問した。

1月9、10日には、ジュネーブにて米露代表者が戦略的安定対話を行った。また、10日には、NATOウクライナ委員会会合も開催された。

12日にはNATOロシア理事会会合が、13日には欧州安全保障協力機構(OSCE)常設理事会会合が開催され、西側諸国とロシアが協議を続けたが、両者の間の決定的な見解の隔たりは埋まっていない。

写真:大統領府