ドイツ検察、ノルド・ストリーム爆破事件でウクライナ国民を起訴

ドイツ連邦検察庁は2日、2022年秋にバルト海でガスパイプライン「ノルド・ストリーム」の2つのラインが爆破された事件に関して、ウクライナ国民のセルヒー・Kを起訴した。

ドイツ連邦検察庁広報室が公表した

報告には、「2026年6月30日、連邦検察庁はハンブルク高等地方裁判所の国家安全保障刑事部において、ウクライナ市民のセルヒー・Kに対する起訴状を提出した」と書かれている。

検察のデータによると、このウクライナ人は、民間施設への攻撃、爆発の引き起こし、建造物の破壊、公共の意義を持つ施設の稼働妨害という戦争犯罪への加担の「十分な疑い」が持たれている。

捜査側が主張するところでは、2022年時点でセルヒー・Kはウクライナ軍の将校であった。ロシアによる全面侵略の開始後、同氏は他のウクライナ軍人らと共に、ウクライナの国家機関からの委託により、バルト海の海底を通ってドイツのリューブミンへとつながるガスパイプライン「ノルド・ストリーム1」及び「ノルド・ストリーム2」を破壊する計画を立案したとされる。

検察は、作戦の目的は「パイプラインを通じたガス供給を永久に停止させ、ロシアが天然ガス取引による収入を戦争遂行の資金調達に利用するのを阻止すること」だったと主張した。

さらに検察は、この計画の実現のために、セルヒー・Kの指揮の下、プロの潜水士、艇長、爆発物の専門家を含むグループが結成されたと指摘している。

検察は、2022年9月4日にセルヒー・Kが偽造されたウクライナのパスポートを使用してポーランド経由でドイツに入国したと主張している。その後、グループはロストックのドイツ企業からレンタルしたヨットで海へ出たが、捜査データによると、このヨットは偽造書類を用いて仲介業者を通じて手配されたものであったという。

検察の情報によると、ヨットによって大量の高性能爆発物がデンマークのボーンホルム島近海へと運ばれた。遅くとも2022年9月22日までに、グループのメンバーはパイプラインに時限信管付きの複数の爆破装置を設置したという。

爆発は2022年9月26日に発生し、両パイプラインに深刻な損傷を与えた。検察は、事件前まで「ノルド・ストリーム1」を通じてドイツの年間天然ガス需要の約半分が輸送されていたと伝えている。

報告ではまた、セルヒー・Kが欧州逮捕手配書に基づき2025年8月21日にイタリアのリミニ県で拘束され、2025年11月にドイツへと身柄引き渡されたことが喚起されている。

今後、裁判手続きを開始するか否かの問題は、ハンブルク高等地方裁判所が決定することになる。

これに先立ち、2022年9月末、バルト海のボーンホルム島付近のパイプライン「ノルド・ストリーム1」及び「ノルド・ストリーム2」で爆発が発生し、ガスパイプラインの4か所で漏出が始まっていた。ロシアは爆破についてウクライナと米国を非難していた。ウクライナ当局は爆破への関与を否定していた。また、加担を非難されていたポーランド側も関与を否定した。

ドイツメディアは、ドイツの捜査グループはウクライナ国民のグループがパイプライン「ノルド・ストリーム」の爆破に関与している疑いを持っていると報じていた。ドイツの検察官は、同事件で拘束されたウクライナ人のセルヒー・クズネツォウ氏について、パイプラインに装置を設置した人物らのグループに属しているとして起訴していた。

今年7月1日、ゼレンシキー宇大統領は、ウクライナは「ノルド・ストリーム」爆破事件に関する全ての詳細を公式には受け取っておらず、ウクライナとドイツのしかるべき機関がこれに関して連絡を取るべきだと表明していた。

連邦議会議員でキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)会派の外政問題報道官であるユルゲン・ハルト氏は、ウクルインフォルムとのインタビューにて、ガスパイプライン「ノルド・ストリーム」の爆破から最大の利益を得たのはパイプのロシア側所有者であるとし、なぜならこれにより、政治的理由によるドイツへのガス供給停止後に生じる契約不履行に対する制裁金を回避することが可能になったからだと表明していた。