汚職捜査機関、キーウ市区行政裁判所裁判長らに容疑伝達

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17日、政権幹部の汚職捜査に特化した機関である国家汚職対策機関(NABU)は、キーウ(キエフ)市区行政裁判所のパウロ・ヴォウク裁判長含む、同裁判所裁判官ら計8名に対し、政権奪取を計画する犯罪行為を行った容疑を伝達した。

NABU広報室が公表した

発表には、「2020年7月17日、NABU捜査官は、キーウ市区行政裁判所の裁判長(編集注:パウロ・ヴォウク氏)、副裁判長、他5名の裁判官、国家裁判運営局局長に容疑を伝達した。さらに4名の人物への容疑手交プロセスが継続している。捜査班は、これらの人物計12名が、区行政裁判所裁判官をトップとし、高等裁判官選考委員会と高等司法評議会のコントロール確立とこれら機関の業務における作為的妨害発生を通じて、政権奪取を目的とする犯罪組織にて活動していたことを判明させた」と書かれている。

NABU捜査班は、この組織は、自らの利益や、個別政治エリート、ビジネス界の利益に従った決定を下していたと主張した。

NABUは、「特に、区行政裁判所裁判官は、その目的のために、人工的かつ作為的な行政訴訟を配下の市民団体から自身の裁判所に提出させ、その後『極めて迅速に』審理を行い、事前に決まっていた判決を下すというスキームを利用していた」と伝えた。

発表には、2019年7月にもNABU、検事総局特別捜査局、保安庁の職員が、区行政裁判所とオデーサ市スヴォロウシキー地区裁判所で家宅捜索を行い、その際、区行政裁判所裁判長と裁判官他3名に容疑を伝達したと説明されており、とりわけ、裁判長、副裁判長ともう1名の裁判官への容疑伝達は2度目となると喚起されている。

NABUはまた、今回発表された犯罪容疑の内容を説明する、一部機密解除された情報を含む動画を公開した。

写真・動画:NABU広報室