プーチンは弾道ミサイル攻撃を続けられる限りウクライナとの交渉に関心を持たない=戦争研究所
米国のシンクタンク「戦争研究所(ISW)」は、ロシアの首脳プーチン氏は、ロシア軍がウクライナの都市に対して弾道ミサイルによる攻撃ができる間は、意味のある交渉に関心を示さないだろうと分析している。
戦争研究所(ISW)の8月10日付報告書の中に書かれている。
報告には、「クレムリンは、意味のある交渉に入ったり、自らの最大主義的な要求に関して譲歩したりする必要性を回避するために、ウクライナにおける迎撃ミサイルの不足を利用できると考えている」との見方が示されている。
ISWは、防空システム「パトリオット」はロシアの弾道ミサイルに効果的に対抗できる唯一のシステムだと評価した上で、そのミサイルの不足がウクライナの防空に脆弱性を生み出していると指摘した。
さらに、「したがって、『パトリオット』システム用の迎撃ミサイルの供給の最近の急激な減少は、戦争を2027年まで長期化させることに寄与する」と書かれている。
ISWは、プーチン氏の勝利の理論は、ロシア軍が主導権を維持し、戦域全体で無期限に前進し続け、同時にウクライナの都市やインフラを破壊し続ければ、ロシアは消耗戦に勝利できるという前提に基づいていると指摘している。
そしてISWは、「プーチン氏が自らの目的を完全に達成するための実行可能な軍事的手段を有していると考えている限りは、クレムリンが真剣な交渉に入ったり、自らの要求について著しい妥協を行ったりすることはない。ウクライナにおける『パトリオット』ミサイルの不足は、モスクワに対して来る冬の間にウクライナへ非常に深刻な被害を与える機会を与えており、そのため意味のある交渉を遅らせ、戦争を長期化させることに寄与していく」と指摘している。
ISWはさらに、ロシアはこの状況を利用し、防衛生産の一部を弾道ミサイルの生産へと再編していると伝えた。ISWは、そのような戦略が成果を上げている間は、プーチン氏が交渉や自らの最大主義的な要求に関する譲歩の必要性を感じない可能性があると評価している。