脆弱な防空体制と無人機攻撃がロシアの石油収入を減少させている=報道

フィナンシャル・タイムズは、イランでの戦争に伴う原油価格の上昇により、ロシアの超過利潤は依然として高い水準にあるとしつつ、しかし、ロシアのバルト海における2大輸出拠点へのウクライナの無人機攻撃がロシア政権の収入を削減させ、またロシアの対無人機の弱点を露呈させていると指摘している。

フィナンシャル・タイムズの特集記事に書かれている

キーウ経済学校(KSE)のエネルギー・気候研究部門代表のボリス・ドドノウ氏によると、先週初め以降のロシアのプリモルスク及びウスチ=ルーガへの5回の攻撃により、ロシアのエネルギー輸出業者は3月29日までの1週間で約9億7000万ドルの収入を失ったという。

プリモルスクとウスチ=ルーガは、ロシアの海上石油輸出能力の40%以上を占めている。西側の安全保障当局者によれば、プリモルスクだけでも攻撃によって2億ドル相当の石油が焼失したという。

ウスチ=ルーガは世界の石油供給量の約8%を担っている。アーガスのデータによると、3月最終週の攻撃後、同地からの輸出は約70%減少した。

シーラAIの石油アナリストであるウラジーミル・ニキチン氏は、プリモルスクのターミナルの積み込み作業は数日以内に再開される可能性があるが、焼失した貯蔵タンクの修復を輸出に支障をきたさずに行う場合には数か月を要するため、完全な復旧には至らないと指摘した。同氏はまた、ウスチ=ルーガ・ターミナルの加工ラインの修理には1か月以上かかるかもしれないと補足した。

これに対し地元当局は、「前例のない敵の無人機攻撃」の「烈度が低下する見通しはない」と述べている。

露クレムリンのペスコフ大統領報道官は火曜日、ロシアはエネルギー・インフラ保護のために集中的な努力を払っていると述べたが、石油施設の「100%の安全を確保すること」は不可能であることを認めた。

無人機はエネルギー産業だけでなく、前線で転用可能な化学物質を製造する肥料工場も攻撃している。

ロシアは電子戦によるジャミング、物理的な障壁、石油施設警備への予備役投入を含む多層的な防御システムを構築した。しかし、フィナンシャル・タイムズは、ウクライナの無人機技術の進歩に対抗するには、それでは不十分だと指摘している。

ロシアの企業は、対無人機防御費用を自ら負担することを強いられており、国からの資金援助がないことにより、不満が増大しているという。エネルギー産業以外の企業も対無人機防御対策への投資を余儀なくされており、ロシアメディアによれば、2025年春までに民間企業の最大80%が対策を講じたという。

ロシア最大の石油輸出企業である国営ロスネフチは、高度35メートル以上を飛行する遠隔操作無人機を標的とした独自の電子戦システムを保有しているという。しかし、これはウクライナの最新モデルの無人機に対してはほとんど効果が出ていない。

昨年11月、ロシアの首脳プーチン氏は、「極めて重要な」施設を無人機から守るために予備役を動員することを認める法律に署名した。軍用車UAZの荷台に機関銃を設置した、いわゆる「移動射撃班」を予備役で構成することが主な任務だと、カルタポロフ国家院国防委員長は述べた。

しかし、ロシアのある有力実業家は予備役の投入に懐疑的だ。この人物はFTに、「パチンコを持った予備役が何の役に立つのか? 私たちは全ての工場に鉄塔を設置し、その間にネットを張らなければならなかった」と語り、これらの対策に少なくとも15億ルーブル(1910万ドル)を費やしたと補足した。