ロシア軍、キーウを中心に大規模攻撃 死者4名、負傷者20名以上
ウクライナへの全面侵略を続けるロシア軍は、13日夜から14日未明にかけて、同国首都キーウを中心にミサイルと無人機による大規模攻撃を行った。現時点で同攻撃により死者が4名、負傷者が数十名出たことが報告されている。
ゼレンシキー宇大統領がXアカウントで報告した。
ゼレンシキー氏は、「未明から、私たちの緊急当局がロシアの攻撃現場で働いている。卑劣な攻撃だ。現時点ですでに数十人の負傷者が判明している。その中には児童複数名や妊婦1名も含まれる。残念ながら、4名の人が亡くなった。遺族と近親者に哀悼を表明する」と書き込んだ。
また同氏は、ロシア軍は攻撃の際、無人機を約430機、弾道ミサイルを含むミサイルを18弾使用したと伝えた。
同氏はさらに、今回の主な攻撃先はキーウだったとしつつ、ロシア軍はその他キーウ州、ハルキウ州、オデーサ州も攻撃したと伝えた。加えて同氏は、朝からロシア軍は北部スーミ州に対してミサイル「ツィクロン」を使用したとも報告した。
そして同氏は、「すでにクリメンコ内務相が現場の救助作業の状況について報告した。人々を助けている人皆に感謝している。また、クリヴォノジュコ空軍司令官も防空作業の成果について報告した。戦士たちの優れた作業に感謝する」と伝えた。
同氏はその他、この攻撃はできるだけ多くの被害が人々と民間インフラに出るようにあえて計算した攻撃だったと指摘し、ミサイル「イスカンデル」の破片によってキーウ市内のアゼルバイジャン大使館が損傷したと伝えた。
さらに同氏は、「ウクライナはこれらの攻撃に長射程能力で反撃するし、世界は命に対するこれらの攻撃を制裁で止めねばならない。ロシアはまだ石油を販売し、自らのスキームを構築できている。それら全てが止められねばならない」と訴えた。
国家非常事態庁は、テレグラム・チャンネルにて、今回のキーウへの攻撃では24名が負傷したと報告した。
同庁報告のキーウ市内の被害は以下のとおり。
ポジリシキー地区:15階建て集合住宅に着弾。
ドニプロウシキー地区:5階建て集合住宅の2軒のアパートの火災鎮火。別の地点で火災鎮火。19階と21階に部分的破壊あり。スポーツ施設の木造建築が炎上。
キーウ市ドニプロウシキー地区の被害 写真:イェウヘン・コテンコ/ウクルインフォルム
ダルニツィキー地区:学校敷地内で火災発生。
デスニャンシキー地区:7階建て集合住宅が炎上。鎮火済み。別の地点で5階〜8階建ての集合住宅で火災発生。1名死亡。
キーウ市デスニャンシキー地区の被害 写真:ヘンナジー・ミンチェンコ/ウクルインフォルム
ソロムヤンシキー地区:集合住宅の屋上と5階で火災。
スヴャトシンシキー地区:7階の住宅に着弾あり。また、22階建集合住宅の19階の火災鎮火。
ホロシーウシキー地区:病院敷地内に破片落下。別の地点で建物に生じた火災を鎮火。
シェウチェンキウシキー地区:開けた場所の火災を鎮火。
オボロンシキー地区:9階建ての集合住宅に着弾あり、7〜9階に火災発生。鎮火済み。
中部キーウ州では、カラシュニク州軍行政府長官がフェイスブック・アカウントで、同州へのロシア軍のミサイル・無人機攻撃により、6名が負傷(7歳の児童1名含む)したと報告した。
攻撃は州内の以下5地区で確認されたという。
ブチャ地区:5軒の民家破壊・損傷
ビラ・ツェルクヴァ地区:民間製造企業、倉庫、ガレージが損傷
ヴィシュホロド地区:民家14軒と自動車が損傷
ファスチウ地区:民家1軒が損傷
オブヒウ地区:自動車が破壊、民家1軒が損傷
南部オデーサ州のキペル州軍行政府長官は、テレグラム・チャンネルにて、同州ではロシア軍の無人機攻撃でエネルギー施設が損傷、また近隣の住宅やガレージも破損したと伝えた。1名が負傷したという。