ウクライナはザポリッジャ原発への送電線を攻撃していない=NGOグリーンピース

国際環境NGOの「グリーンピース」は、ウクライナ南部でロシアが占拠を続けるザポリッジャ原子力発電所の送電線付近には軍事的な攻撃が行われた証拠が全くなく、これはロシア占領者が意図的に同原発をウクライナのエネルギーシステムから切り離したことを示していると指摘した。

10月1日付に公開されたグリーンピースの調査にて解説されている

調査報告書には、マッケンジー・インテリジェンス・サーヴィス(MIS)社の元軍事遠隔調査専門家たちが、グリーンピース・ウクライナから提供された2025年9月26日付の高解像度衛星画像を分析したとある。同専門家たちは報告書の中で、750kVの送電線鉄塔のある場所では、砲撃や攻撃が一切確認されなかったと述べている。

これは、原子力発電所を完全に奪取する目的で、同原発をウクライナのエネルギーシステムから意図的に切り離したことを示していると解説されている。

ロシアはこれまで、ザポリッジャ原発の外部電源喪失は、ウクライナ軍からの攻撃の結果であると主張していた。

マッケンジーの専門家たちは、ザポリッジャ原発6号機の境界線から北東1.9キロメートルに位置する「損傷した」とされる送電線鉄塔付近の地域を評価し、以下の結論を出している。

・750kV送電線の垂直な格子状の鉄塔は所定の位置に残り、垂直に立っている。また、水平の梁がこれら2つの垂直な鉄塔を依然として繋いでいることが確認できる。

・画像には、影に関して若干の不確実性が存在する。

・懸垂構造を持つ鉄塔は所定の位置に残っている。現在も立っていることから、修理は比較的簡単であるはずである。

・鉄塔周辺及び原発のこの部分の送電線網の周囲には、新旧問わず、クレーターの形跡が全くない。

・ウクライナの政策は、原子力発電所への軍事攻撃を行わないことであり、これは、鉄塔の修理を行うことが危険すぎるという(編集宇宙:ロシア側の)主張をさらに弱めるものである。

マッケンジーは、より広範な地域の分析がこの地域に対する砲撃に関する主張を裏付けていないと結論を下している。