ウクライナ軍、「ポクロウシク完全制圧」「リマン突破」との情報を否定
ウクライナ軍は3日、ロシア参謀本部や報道による、東部ドネツィク州のポクロウシクのロシア軍による「完全制圧」や、同州リマンにおける「突破」といった情報を否定した。
ウクライナ軍参謀本部のリホヴィー報道官は、ウクルインフォルムへのコメントにて、「ポクロウシク完全制圧」は事実に反すると伝えた。
その際、リホヴィー氏は、「ウクライナ司令部の立場は一貫している。ポクロウシクにおける状況は極めて厳しい。しかし、防衛戦力は今後も同市の北部線路に沿って維持し続けている。また、敵の拠点を壊滅させるために私たちの部隊による積極的な行動が続いている。ポクロウシク及びミルノフラードの両地域で兵站を確立するための措置が実施されており、敵が襲撃歩兵グループを集積し、自治体を迂回して前進しようとするのが阻止されている」と発言した。
またウクライナ軍第3軍団はテレグラム・チャンネルにて、リマン氏でロシア軍が「突破」を実現したとする情報を否定した。
第3軍団は、ロシア軍のゲラシモフ参謀総長がロシアの首脳プーチン氏に対して、第3軍団の2個旅団(第63、第60)が防衛を担当している地点で「ロシアの突破」について報告していたと指摘した。
軍団のビレツィキー指揮官は、「軍団の部隊はリマンへの接近路で1日に約40の敵襲撃を撃退し、敵の市内への侵入を阻止している」と発言した。
また、過去1か月、ロシア軍は小規模グループでリマン周辺に浸透を10回試みたが、その都度排除された、ないしは、捕虜になったと説明されている。
軍団の報告には、「例えば、1人の捕虜ロシア人は動画にて、テレグラムに彼らの陣地を漏洩させたロシアの従軍記者に映像で感謝している(編集注:非難しているという意味)。私たちの戦士たちは敵を迅速に発見した。グループの一部はその場で殲滅され、一部は幸運にも拘束され生き延びた」と書かれている。
ウクライナ軍の第63独立機械化旅団のユルチュク指揮官(大佐)は、ゲラシモフ露軍参謀総長は過去4年間で自らの軍を「焼き尽くし」ながら、ウクライナのどの州も完全には支配できていないと指摘した。同氏は、「そのため、私たちの部隊がリマンに接近するロシアのあらゆる試みを摘み取っている一方で、彼(ゲラシモフ)はプーチンに存在しない成功について報告しているわけだ」と強調した。
第3軍団は、担当する防衛線を引き続き維持していると訴えた。