ウクライナ内閣庁舎に着弾した露軍巡航ミサイルには米国、日本、英国製等の部品が含まれていた=大統領全権

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ウクライナのウラシューク制裁政策担当大統領全権は9日、ロシア軍による6日夜から7日朝にかけての大規模攻撃の際にキーウのウクライナ閣僚会議(内閣)庁舎に、一部が着弾した巡航ミサイル「イスカンデル9M727」を分析したところ、米国、日本、英国などで作られた部品が含まれていたことが判明したと報告した。

ウラシューク全権がフェイスブック・アカウントで伝えた

ウラシューク氏は、「確かに、政府庁舎には、『イスカンデル9M727』(巡航)が着弾した。正確には、その一部が、だ。燃料が炎上した。弾頭は作動しなかった、暫定では、ミサイルが破損したからだ。正確な回答は全て後ほど出される」と書き込んだ。

同氏はまた、調査された最新型「イスカンデル」ミサイルには、米国製の部品が約35点、日本製が1点、英国製が1点、スイス製が1点、ベラルーシ製が5点、ロシア製が57点含まれていると指摘した。

メーカー別では、テキサス・インストルメント、アナログ・デヴァイス、アルテラ(米国)、コレッジ・エレクトロニクス(英国)、富士通(日本)、トラコ・パワー(スイス)、インテグラル(ベラルーシ)、ミクロン、生産協会「ストレラ」、アングストレム、研究設計局「エクシトン」、カラチェフ工場「エレクトロデタリ」(ロシア)だという。

記者団に公開された閣僚会議庁舎の被害 写真:ダニーロ・アントニューク/ウクルインフォルム

同時に同氏は、過去数年のミサイルと比べて、欧州や米国からの部品は減っており、ロシアとベラルーシのものが増えていると指摘した。

また同氏は、全ての情報は制裁対応のためにパートナー国に提供されていると伝えた。

これに先立ち、ウクライナへの全面侵略を続けるロシア軍は、9月6日夜から7日朝までに同国に対して無人機810機、ミサイル13弾で攻撃を仕掛けていた。キーウでの死者3名をはじめ、各地で死傷者が確認されている。

ウクライナのスヴィリデンコ首相は、6日夜から7日朝にかけてのロシア軍の複合攻撃の際に損傷した閣僚会議(内閣)庁舎の建物内部の写真と動画を公開していた

デフィフェンス・エクスプレスは8日、関係者情報を元に、閣僚会議庁舎に着弾したのは、450キログラムの巡航ミサイル「イスカンデル9M727」だったとし、その弾頭は爆発しなかったと報じていた

更新(9月9日10:56):写真を追加