ロシア兵による22年3月のブチャ住民銃殺 未公開動画公開
キーウ州のブチャで、2022年3月4日に撮影された監視カメラのこれまで未公開の動画が公開された。動画には、ロシア兵が70歳の地元住民を銃殺する様子が記録されている。
ラジオ・スヴォボーダが動画を公開した。
動画で銃殺されているのは70歳の地元住民ヴォロディミル・ルバイロ氏。
動画では、ロシア兵士が最初の銃撃でルバイロ氏を負傷させ、負傷した彼がよろめいているところに、頭部に狙いを定めてさらに銃撃する様子が映っている。
この銃殺は、スーパーマーケットの入り口付近での出来事。動画では、ロシア兵が店から商品を略奪している間、殺害されたルバイロ氏の遺体がずっとアスファルトの上に横たわっている。
ロシア兵は、店の入り口のガラスを割り、中に侵入し、盗んだ商品を買い物かごや袋に詰め、あらゆる物を店から持ち出し、自分たちの装甲車両に積み込んでいた。
ロシア兵の中には、より多くのものを奪うために、物をショッピングカートに詰め込み、それを通りで押しながら、彼らが占拠したばかりのブチャ住民の家へと向かう者もいた。
ルバイロ氏の殺害には、ロシアのプスコフに拠点を置く第234空挺強襲連隊の空挺兵、具体的にはウラジーミル・ボルズノフ軍曹が率いるグループが関与している可能性があるという。
ラジオ・スヴォボーダが特定したところによると、ウクライナの専門家によれば、ルバイロ氏が撃たれた場所は、正にその部隊が陣取っていた場所だったという。
ラジオ・スヴォボーダが、ボルズノフ軍曹に電話インタビューすると、ボルズノフ氏はロシア兵がルバイロ氏を殺害したことは認めたものの、自身と部下がその殺害に関与したことは否定したという。
なお、ブチャ市議会の文書保管部門の情報では、ロシア軍がブチャ共同体を一時的に占領していた期間に、同共同体では554人の民間人が死亡。43体の遺体は身元が特定されていないままであり、さらに38人のブチャ市民が今も行方不明とされている。また、少なくとも33人の男性が依然として拘束されている。また、ロシアによって不法に拘束された民間人の1人は、拘束中に死亡している。
ロシアは、ブチャでの民間人大量殺害への関与を否定している。ロシアの首脳プーチン氏は、ブチャでの民間人大量殺害を「フェイク」「挑発」などと呼んでいる。
訂正(8月9日9:19):ルバイル→ルバイロ