ロシアは一部前線で十分な戦闘力を確保できていない=戦争研究所専門家
米国のシンクタンク「戦争研究所」(ISW)のジョージ・バロス・ロシア・地理空間情報グループ長は、ロシア軍が前線の全ての地点で十分な戦闘準備を確保できているわけではないとし、例えば、ロシア軍は、ポクロウシク方面では徐々に前進しているが、スーミ州では行き詰まっていると指摘した。
バロスISW専門家がロシア・ウクライナ戦争の戦況についてウクルインフォルムにコメントした。
バロス氏は、「ロシア軍の戦闘準備状況は戦域の様々な地点で異なっている」と指摘した。その際同氏は、北部スーミ州のロシア軍は減速しているようだとし、一方でウクライナ軍は同方面で反撃を行っていると指摘した。そして同氏は、これが「この地点におけるロシアの戦闘力の相対的な不足を示している」と評価した。
他方、同氏は、東部ポクロウシク方面では、ロシア軍は毎日小規模な段階的な前進を続けており、さらにそのような攻撃を短期的には維持できる能力があるようだと指摘した。
同時に、同氏は以前に言及した、ロシアが自国の経済問題により軍の補充がますます困難になっているという自身の評価を改めて認めた。
その際同氏は、「ロシアの経済的困難を考慮すれば、ロシア軍が中長期的に採用と部隊編成をどのように維持していくのか不明だ」と述べた。
ウクルインフォルムからの、ウクライナの町々に対するミサイルと自爆型無人機による攻撃と、敵が前線で使用する攻撃用無人航空機に対する、ウクライナ開発の新型システム(迎撃用無人航空機)の有効性に関する質問に対しては、バロス氏は、分析のための独立した十分なデータがまだないと説明した。
同時に同氏は、「ウクライナの技術者たちがそのようなシステムを開発していることは非常に良いことであり、高い有効性を示すことを期待している。その分野での成功は、『シャヘド』型や『ゲルベラ』型無人機の有効性を低下させる可能性がある」と指摘した。
一方で、同氏は、ウクライナが開発している迎撃用無人機はロシアの弾道ミサイルは迎撃できないと述べた。そして、弾道ミサイルからの防護のためには、ウクライナは今後もパートナー国から供給を受ける「パトリオット」システムに頼らざるを得ないだろうと指摘した。